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大宮のブリュワリーが初の100%さいたま産クラフトビール、ホップ・麦栽培も

初の100%さいたま産クラフトビールや特徴の異なる2種のクラフトビールを飲み比べる

初の100%さいたま産クラフトビールや特徴の異なる2種のクラフトビールを飲み比べる

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 大宮のクラフトビール醸造所「氷川ブリュワリー」(さいたま市大宮区高鼻町1、TEL 048-783-5123)が3月9日、そごう大宮店で100%さいたま産のクラフトビールビール「さいたま育ち2019」の開栓・試飲イベントを行った。

種まきから麦踏、収穫などすべて手作業で行い完成した「さいたま育ち2019」

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 同醸造所は、2014年に菊池俊秀さんが「自分の生まれ育った地域を誇れる名産品作りをクラフトビールで実現したい」とさいたま市で初めて事業化。原料のビール麦・ホップの栽培から醸造まで100%さいたま産にこだわった「さいたま育ち」はかねて菊池さんが抱いていた「さいたま市産のみの素材で作ったクラフトビールを作りたい」との思いから実現した。

 菊池さんは「商品化に至る過程は簡単ではなかった。多くの人の協力と思いでこのクラフトビールを作ることができた」と振り返る。

 モルトは、明治時代に日本に入り、県が品種改良したものを農林部が保管していた「ゴールデンメロン埼1号」のビール麦の種子を使い、2016年に見沼区で試験栽培、翌年から市内の農園でビール麦の栽培を始めた。2018年は収穫した50キロのうち2キロを次年度の種子に使い、それ以外を「さいたま育ち」の原料とした。今回は菊池さんが自力での製麦を試み、さいたま市産の「ゴールデンメロン埼1号」をベーシックな醸造用モルトに仕立てた

 「さいたま育ち」に使ったホップの「チャレンジャー」は、さいたま市農政課と協業で、見沼グリーンセンターで栽培した物。2015年に栽培を始め、栽培方法などを検証しながら、試行を重ね、ホップの収穫に成功した。現在は、信州早生、チャレンジャー、ファグルのホップ3種を栽培している。

 開栓イベントではクラフトビール醸造工程と、「さいたま育ち」の概要について説明を行ったほか、同醸造所の菊池俊秀社長が「さいたま育ちプロジェクト」への思いを話した。また行田の地ビール「麦乃王」の原料となるビール麦を生産しているはせがわ農園長谷川浩社長、流通などのコーディネートを担当した「アライ」の新井俊雄社長、醸造を担当した所沢ビール緒方聡社長がその思いや特徴を話した。

 試飲会では「さいたま育ち2019」のほか、行田の地ビール「麦乃王」、氷川ブリュワリーで提供しているクラフトビール「氷川の杜~Ren~」の3種類での飲み比べセットを用意。幅広い年齢層の人が多く会場に集まり、クラフトビールの香り、味を楽しんだ。

 菊池さんは「今回のイベントは第一歩。今後は味わいや香りなどを研究し、皆さまとより良い物を作っていきたい。さいたまでもいろいろなことができるということを、このクラフトビールを通じて感じていただきたい」と話す。今後は収穫量を増やし、さいたま産原料に合わせたクラフトビールスタイル確立を目標としているという。

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