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大宮で大学生がテークアウト専門かき氷店 飲食店経営経験を今後に生かす

火水カフェよつじ堂の四辻さん

火水カフェよつじ堂の四辻さん

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 埼玉大学4年生の四辻明大さんが期間限定で挑戦しているテークアウト専門かき氷店「火水カフェよつじ堂」が間もなく閉店を迎える。

ふわふわミルクかき氷・贅沢チョコ味

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 北海道出身の四辻さんは、埼大の体育会系の卓球部で週6日の練習に励む傍ら、教習所でのインターン、留学生寮に住み留学生の生活支援をするなど、大学生活の4年間を最大限に活用している。2年生から始めたアルバイト先のコワーキングスペースの運営会社が2020年4月からシェアキッチンの事業を始めたことをきっかけに、就職前の時間を有効に使うため「自分も出店したい」と7月から同店を始めた。

「CLOCK KITCHEN(クロックキッチン)」(さいたま市大宮区宮町1)は曜日と時間でシェフが変わるシェアキッチン型テークアウト専門で、四辻さんは、火曜・水曜の夕方の時間に営業している。

 通り掛かりの人、近くの専門学校の学生、近隣の店のスタッフなどが立ち寄るという。四辻さんは「意外と年齢高めの方がたくさん来てくれる。激励の言葉を掛けてくれる人もいる。男子が1人で売っているので買いやすいのかも」と話す。

 「埼玉に来て4年目だが、夏の暑さが今もつらい」という四辻さん。涼しさを提供しようと、出店メニューを「かき氷」に決め、日々かき氷の研究を重ねたという。「店では家では出せないクオリティーを出すことが大事だと思ったので、クオリティー上げるために毎日2個かき氷食べる生活をして開発した。そのせいでおなかを壊して、かき氷を食べ続けることがつらくなった時期もある」と振り返る。

 自分の店として、商品の開発、店の運営、接客、経理をすることは初めての経験だったという。四辻さんは「商売を成り立たせることが難しいということがよく分かった。『人を雇う』のも大変で、時給1,000円出せるというのはすごいだと実感した。自分は仕入れを考えると時給1,000円の売り上げを立てることができた日は少ない。賃料なども払うことを考えると、経営は本当に大変」と話す。

 メニューは、ふわふわミルクかき氷 贅沢(ぜいたく)チョコ味(400円)、ふわふわミルクかき氷 さっぱりイチゴ味(450円)、果肉ゴロゴロ苺(いちご)ミルク(300円)、チョコたっぷりカフェモカ(200円)、チーズたっぷりチーズティー(300円)。ミルクかき氷は水を使わず、チョコ味、イチゴ味のミルク氷を使い、濃厚な味に仕上げている。

 四辻さんは「店の人の気持ちを考えるようになった。飲食店を出る時は必ず『おいしかったです』と言うようになり、メニューの価格を見ても、仕入れなど裏側を考え、高いとは思わなくなった。チラシ配りの人の気持ちにも気が付き、全部もらうようになった」と3カ月の経験から得たものの多さに驚く。「やってみることが大事で、とにかく始めてみて、試行錯誤しつつ淡々と続けることが成功のこつかもしれないと思ったので、そのマインドを忘れないようにしたい。この経験は今後に生きてくると思う」とも。

 火曜、水曜のみ営業。営業時間は16時30分~20時ごろ。9月23日まで。

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