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さいたま在住の帝王切開カウンセラーが新刊本 産後ママに寄り添いエール

新刊本を手にする細田さん

新刊本を手にする細田さん

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 さいたま市見沼区在住の帝王切開カウンセラー細田恭子さんが1月16日、「帝王切開で出産したママに贈る30のエール:もやもやを消し、自分らしさを取り戻す」(細田恭子編著、竹内正人医師・横手直美助産師著、中央法規出版)を刊行した。

講座「帝王切開 お産の振り返り」の参加者と細田さん

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 女の子3人の母親である細田さんは2度の流産の後、3回の帝王切開出産を経験した。「まさか自分が帝王切開で出産するなんて、最初は夢にも思わなかった。現在、帝王切開出産は5人に1人の割合で行われ、そのうち緊急の帝王切開は6割とも言われている。誰にでも起こりうること」と話す。

 同書では、帝王切開で出産した女性たちに向けて「偏見を跳ね返す」「出産を振り返る」など細田さんの自身の経験を交えながら、帝王切開で出産した女性に30のエールを送っている。出版のきっかけは、「長年、帝王切開の知識だけでなく、心をケアする本を届けたいと感じていたから」という。

 細田さんは2000年、帝王切開で出産した女性に向けて、細田さんの体験や帝王切開の情報など提供するサイト「くもといっしょに」を開設した。全国から寄せられる帝王切開に関する悩みや不安などにカウンセリングやメンタルサポートを、今までに2000人以上に行ってきた。

 細田さんの活動を見た知人のキャリアカウンセラーから「『帝王切開カウンセラー』と名乗ったらどうか」とアドバイスを受けたといい、細田さんは「日本で唯一の帝王切開カウンセラーかも」とほほ笑む。帝王切開になったのを自分のせいと責めている女性や、『麻酔を使った出産で、楽で良かったね』」などと周りの人に何げなく言われて傷ついている女性も少なくない。そうした女性たちに寄り添ってきた」とも。全国の自治体や子育てサークルなどでお産の振り返り講座やセミナーのほか、看護学校や医療施設で、帝王切開後の体と心のケアについての研修会なども行っている。

 現在、新型コロナウイルスの感染への不安や、実家への帰省困難や子育て支援の場の閉鎖など孤立感を深めている妊産婦が多い。細田さんは「おなかの傷以外に、心の傷を負っている人もいる。こんな時期だからと相談するのを遠慮せず、気軽に相談してほしい。大切なのは、産み方より育て方だということを伝えたい」と話す。「本になることで、ブログや講座では届かなかった人たちへのサポートにつながるのでは」と期待を寄せる。

価格は1,300円。

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