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さいたまのドローンスクールがリモートセンシング講座 土木建築造園などに活用も

実際に飛ばして操作を学ぶ

実際に飛ばして操作を学ぶ

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 サイニチドローンスクール(さいたま市中央区)が、「リモートセンシング講座」を開講して1カ月がたった。

自動航行の実習をする受講生

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 リモートセンシング(remote sensing)とは、離れたところからセンサーで計測する技術を表す。スクールを統括するサイニチホールディングスがスカイマティクス(東京都中央区)とドローン計測サービス「くみき」の販売代理店契約を締結し、「くみき」のユーザー向けの操縦プログラムコースと、ユーザーに撮影業務を提供する「くみき」認定オペレーター検定コースの2つのカリキュラムを用意した。国内でこれらのコースを開講しているドローンスクールはまだ少ないという。

 スカイマティクスは2020年はやぶさ2のカプセルが地球に落下した際に、画像解析技術でカプセル回収に貢献している。同社の開発した「くみき」は、ドローンが自動航行で撮影した画像をクラウド上にアップロードするだけで、自動的に画像処理解析がスタートし処理結果もクラウド上に記録され、メールが届く。ネット環境さえあれば、どこからでもアクセスでき、パソコンのスペックに左右されず、専門知識が不要で簡単に画像処理解析技術を利用できる。

 地形とその上の建物や樹木などを合わせた表層を数値標高モデル化したDSM(Digital Surface Model)や、オルソ画像(歪みが無く、形状や位置が正しく配置された地理空間情報)、点群データや計測データなどを自動的に生成できる。これまで人手に頼っていた画像処理が自動化して、大幅な時間短縮ができ、クラウドサービスのため初期投資が不要で、安価に利用できる。

 2月5日の講習では、午前中に扇形の野球場でドローンを自動航行させ、帯状に往復でデータを撮影・収集し、午後は教室で講師の楢木野修さんがソフトの使い方を講義した。東京都練馬区の建設関連会社ギケンエンタープライズから受講に来た大城良晃さん(28歳)は「最初に自動航行の設定さえちゃんとして覚えてしまえば、難しくなさそう」と話す。「橋の点検業務に生かすなど、将来的には新しく測量の仕事や非破壊検査の仕事もしていきたい」とほほ笑む。

 楢木野さんによると「土手を計測すれば堆積物の体積が分かり、屋根の面積を計測すれば、塗装に必要なペンキの量も分かる」という。「土木工事、建築工事、造園工事などで活用できると思う。実際に手に取って操作してみることができるプログラムなのでご利用いただけたら」と呼び掛ける。

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