
街の清掃とアート活動を楽しむ「朝活! ポイ捨て吸い殻アート@さいたま第10回」が2月17日、大宮駅東口南銀座通りで行われ、活動メンバーと地域住民ら6人が清掃活動を行った。主催は「B-effect(ビーエフェクト)」の吉田宏栄(ひろえ)さん。
吉田さんは岡山県出身。9年前、夫婦でさいたま市に移り住んだ。「大宮駅に向かう途中、落ちているごみが多くていつも気になっていた。しかし地域に知り合いもおらず、なかなか行動できずにいた」と吉田さんは振り返る。数年前、2018(平成30)年に大阪市で始まった「ポイ捨て吸い殻アート」活動に参加し、さいたま市での開催を考えていたところ、上尾市でイベントなどを主催するグループ「オレンジ」代表の原早苗さんに再会し背中を押され、昨年5月30日(ごみゼロの日)に始動した。その後、月1回企画して参加者を募り、活動している。
同日朝7時、大宮駅東口近くに集合した参加者は、吉田さんから清掃についての説明と「どんなアート作品を作ろうか考えながら、ごみ拾いを楽しんで」というアドバイスを受け、作業をスタート。軍手や貸し出しのトングを使ってごみを拾いながら40分ほどかけて歩くと、終着点の高架下壁画前には、たばこの吸い殻や空き缶、ファストフードの紙ごみからスマホケースまで、多様なごみが集まった。清掃活動の後は拾ったごみを使って、参加者それぞれが思い思いにアート作品を作った。作品を鑑賞し合って撮影した後は解体し、近隣の収集所で細かく分別作業を行って活動を終えた。
吉田さんは「ごみ拾いの魅力は、街がきれいになるだけでなく、地域に興味のある人と出会いやすいこと。アート作品作りをゴールにしているので、ポイ捨てごみはネガティブな存在であるにもかかわらず、作品の素材としてポジティブにも捉え直せるのも面白い」と話す。「この活動を通じていろいろな出会いがあった。地域とつながりたい、何かやってみたい、でもどうしたらいいか分からない、という人も多いはず。今後も『ポイ捨てアート』活動を継続しながら、いろいろな企画で、誰かの一歩を踏み出すきっかけになれたら」と意気込む。
初めて参加したという20代女性は「地域の活動に興味はあったが、なかなか参加する機会がなかった。『ポイ捨てアート』の活動は、気持ちよく朝活できて、いろいろな人とも出会える一石二鳥の活動。ごみをアート作品にするのは難しかったが、皆さんがすてきなコメントをくれるのでうれしい」、何度も参加しているという50代女性は「ごみ拾いをしているというより、一緒に散策を楽しむ感覚で参加している。出会った人とのおしゃべりや、どんなごみがあるか日によって違うのも面白い」と、それぞれ話していた。
同企画は毎月1回活動。平日開催日は朝7時、土曜・日曜・祝日の場合は9時集合。