
埼玉県内外の企業や団体によるビジネス展示イベント「さいしんビジネスフェア2025」が6月11日、さいたまスーパーアリーナ(さいたま市中央区新都心)で開催された。主催は埼玉県信用金庫。
ビジネスの紹介やマッチングを目的に、県内外から約250の団体・企業が出展した同イベントは2015(平成27)年より隔年開催し、今回が6回目。出展エリアは、「健康・医療・教育」「DX・IT関連」「食品販売」「卸・小売・運輸・サービス」「金属・機械・部品加工」などの分野に分かれ、ブースを自由に見学し、サービスや商品の説明を聞くことができるようにする。特産品コーナーや飲食ブースでは全国各地の物産品が並び、多くの一般来場者が足を運んだ。今回は北陸復興支援を目的に「北陸応援エリア」を設け、復興支援を考えるパネルディスカッションなども行った。
「食品関係」部門に出店した「大宮グリーンサービス」(さいたま市見沼区)は、自社農園で生産したサツマイモで作る「干し芋」を紹介。創業から40年以上にわたり、培養土や肥料などの製造・卸販売を行ってきた同社。土の出荷が落ち着く季節にできることはないかと考えていたところ、サツマイモの植え付けや収穫の時期と重なっていると分かり、2022年に生産事業を立ち上げたという。さらに昨年、専用機械を導入し干し芋の生産を始めた。さつまいも事業部の川野美月さんは「今日は普段関わりのない他業種の方々にも、『土のプロが土からこだわって作っているサツマイモ』について熱い思いを伝えることができた。『さいたまの芋』を広げていきたい」と意気込んだ。
「その他の分野」部門に出展した「エポックケミカル」(久喜市)は、オリジナルブランド「KOBARU(コバル)」の、好きな写真を入れることができる「ロケット付きシャープペンシル」や、油性・水性両方に対応する応急処置用シミ取りペン「shimitori-シミトリー」などを紹介。2015(平成27)年に発売した「shimitori-シミトリ-」は、化粧品や筆記具のプラスチック容器の製造を得意とする同社と、インクを製造する系列会社で、約3年をかけて開発。現在は訪日外国人からも人気が高まっているという。コバル事業部の菊地香澄さんは「主に筆記具を扱ってきたが、デジタル化が進んだ影響で需要が減っている。当社の技術を使った雑貨を開発したり、SNSで宣伝したり、大口の販路を獲得したりすることも重要になってきた。今フェアでの新規商談を期待している」と話していた。
同信金の池田啓一理事長は「今回の開催テーマは『つなぐ』。われわれ『さいしん』が、『ひと』と『まち』とのさまざまな出合いを『つなぐ』ことで、新たな価値を発見、創出してもらうことを目指した。全国各地の信用金庫や地域の皆さまとの交流を深めることも目的の一つ。今回のフェアでの出合いを、新たな発見や課題解決につなげてもらえたら」と話す。
神奈川県のIT企業に勤める男性は「ビジネスマッチングを目的に来場した。分野を問わずいろいろ方と話してみたい」と話し、市内在住の70代夫婦は「ビールやお菓子、ドレッシングなどを購入し、飲食ブースで北陸の店の弁当を食べた。盆栽教室など体験コーナーもあって良い催しだと思う」と話していた。