助産師らによる団体「PROTON(プロトン)」が11月22日と12月7日、産前産後をゲーム形式で疑似体験するワークショップ「サンゴクエスト体験会」を、さいたま市男女共同参画推進センター(さいたま市大宮区桜木町1)で開く。
サンゴクエストのボード 妊娠から1歳の誕生日までのイベントがコマになっている
サンゴクエストは、赤ちゃんの誕生を機に夫婦関係が悪化する「産後クライシス」を防ぐことを目的に開発されたボードゲーム。参加者はママ役・パパ役に分かれ、産前産後に起こる出来事や、男女それぞれの心の動きを疑似体験する。発達科学の研究者や助産師などが共同で制作し、全国に広がっている。
ゲームはすごろく形式で、各マスが妊娠週数を表している。止まるマスごとに妊娠期や育児期に起こるイベントが設定されている。例えば、「妊娠17週目。赤ちゃんの性別が判明。性別を知りたければサイコロを振る。偶数が出たら女の子、奇数が出たら男の子」といった具合。
マスの内容は、先輩ママ・パパの経験談や赤ちゃんの発達スケジュールを基に作られており、初めての妊娠期から赤ちゃんの1歳の誕生日までを追体験できる。止まったマスごとにママ役・パパ役が感じたことを書き出し、互いに共有することで、産後の男女の「ギャップ」や「すれ違い」を理解しやすくする。
同団体代表の落合陽子さんは、病院勤務の助産師としての活動に加え、企業向けに妊娠・出産期の女性スタッフが働きやすい環境づくりを支援している。助産師として現場で女性の悩みに向き合う中でサンゴクエストの必要性を感じ、認定ファシリテーターになったという。
埼玉県内での開催は昨年に続き2回目。落合さんは「前回の参加者からは『何をするのか分からなかったが、想像以上に面白かった』『学校教育から孫育て世代まで体験してほしい』『共感力が養える』などの声が寄せられた。産前産後のカップルはもちろん、企業の人事担当者や女性の部下・同僚を持つ方など、妊娠・出産・子育て期の女性に関わる全ての人に体験してほしい」と呼びかける。
開催時間は、11月22日=10時~12時、12月7日=13時~15時。各回定員24人。参加無料。要事前申し込み。