さいたま見沼の中山神社で伝統の火渡り神事

火をたきながら祝詞(のりと)を奏上する神職

火をたきながら祝詞(のりと)を奏上する神職

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 さいたま見沼の中山神社で12月8日、伝統の鎮火祭と火渡り神事が行われ、地域住民や郷土史愛好家など100人以上が集まった。

火渡りをする参拝者

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 同祭は、1700(元禄12)年に書かれた「新編武蔵風土記」に記述があるなど、古くから伝わる伝統の神事。無病息災と、火防(ひぶせ)を祈るものとして、続けられてきたが、同祭を行ってきた講の跡継ぎがいなくなったことや、まきにするアカマツの入手が周辺で困難になったことなどから、1981(昭和56)年を最後に一時中断していた。

 その後、2001年に新しい宮司が着任したことをきっかけに小さな規模で「火渡り」を復活。当初は氏子など近所の人だけだったが、口コミで徐々に参加者が増えていった。今年は、地域のガイドクラブや郷土史の愛好家などもグループで訪れるなど、多くの参加者でにぎわった。

 儀式では、神職によるおはらいなどの儀式に続き、用意したまきに点火。マツやヒノキの葉を積み上げたまきは、高さ3メートルほどまで燃え上がった。その後、神職が清めの塩をまき、火のくすぶる炭を広げ、神職、参拝者と続いて火渡りを行った。火渡り終了後、参拝者は火防せのお守りとなる炭を拾い持ち帰った。

 神職の吉田さんは「火は人間に多くの恵みを与えてくれる一方、一瞬にして全てを焼き払う力のあるもの。知らずに積もった心身の忌み穢(けが)れを払い、新しい気持ちで新年を迎えてほしい」と話していた。

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