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見沼田んぼに冬の風物詩-わら9トンを使った「フナノ」が2年ぶりに登場

見沼田んぼの冬の風物詩「フナノ」が2年ぶりに復活

見沼田んぼの冬の風物詩「フナノ」が2年ぶりに復活

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 見沼田んぼに、稲刈り後に9トンものわらを使ってつくる「フナノ」が2年ぶりに登場し、冬の訪れを感じる風景として多くの人が訪れている。

大人の身長の倍近くの大きさがあるフナノは、近くで見ると迫力(関連画像)

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 フナノは、この地域独特のわら塚の形。日本では古くから、ぞうりや縄、わら靴、もっこ、むしろなどの生活用具や畳の材料、家畜の飼料や田畑の肥料、かまどの燃料など、生活のさまざまなシーンでわらが活用されてきた。秋に稲の収穫が行われた後、農閑期にこれらのわらを使った生活用具づくりなどが行われていたが、そのためのわらを保存する方法として、各地でさまざまな形の「わら塚」が作られてきた。わら塚の形や呼称は全国各地でさまざまで、ボッチ、ニホ、コヅミ、ノウ、ワラグロなどと呼ばれていた。

 2007年、各地のわら塚を美術作品として展示する美術展「田園賛歌」が埼玉県立近代美術館にで開かれた。これを見たNPO法人「見沼ファーム21」理事長の島田由美子さんが「見沼にもわら塚はなかったのだろうか?」と思い調べ始めたところ、昭和30年代初頭までこの地域で「フナノ」というわら塚が作られていたことが判明し、2008年、約50年ぶりに「フナノ」の再現が始まった。

 同NPOは、市民が中心となって見沼田んぼの水田保全を目的に米作りの体験活動を展開している。フナノ作りは、数少ないフナノづくりの経験者と同NPOメンバーを中心に4日間にわたって行われ、約9トンのわらを使って、縦6.4メートル、横2.5メートル、高さ約3.3メートルのフナノが完成した。

 島田さんは「私たちは水田の保全を目的に米作りの活動を行ってきたが、わらを使った生活文化については当初はあまり気付かなかった。プラスチック製品があふれ、使い捨て、大量消費社会といわれる現代を今一度見つめ直す一つとして、わらの文化を考え、稲作農業の大切さを知る機会にしていきたい」と話す。

一方で、フナノ作りは大変な作業であることには変わりない。2008年から3年間は毎年作ったが、2011年は作業を休んだ。しかし、「今年はフナノが見当たらない」という問い合わせが多く寄せられたこともあり、2012年は2年ぶりにフナノ作りを行った。今回は、作る過程をきちんと残し共有するためにその様子をビデオ撮影し、数時間にわたるDVDを作った。

「これからも毎年フナノ作りを続けられるか分からないが、フナノをシンボルとしたわらの文化を継承するために、フナノ保存会のようなものを結成するなどして続けていきたい。関心のある皆さまにぜひ参加いただければ」と協力を呼び掛ける。

今シーズンのフナノは2月中旬まで見られる。

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