来春の「市民会館おおみや」(さいたま市大宮区下町3)閉館を受け2022年3月18日から4日間、お別れイベントが行われる。主催は「ありがとう市民会館おおみや実行委員会」。
1970(昭和45)年1月に完成した同会館。テレビの公開収録やコンサートなどのほか、旧大宮市の成人式などの式典や「定期演奏会」「観劇会」など近隣の学校行事などの会場として利用されてきた。老朽化などのため2022年3月末で閉館し、同年4月、大宮駅東口に建設中の「RaiBoC Hall(レイボックホール)」(大門町2)へ移転する。
同イベントの開催では、「旧大宮市時代から長く愛されてきた同会館に市民の手で感謝を伝えたい」と、公益社団法人さいたま観光国際協会・理事などを務める久世晴雅さんを発起人に実行委員会が発足。1月頃からおよそ20人のメンバーと共に活動を開始した。
久世さんは「日ごろから共に街づくりに取り組む数人に声をかけたところ、想像以上に輪が広がった。当初のイメージを上回る規模のイベントの開催を目指すことになり、ようやく皆さんへの告知の段階にこぎ着けた」と話す。大宮出身でさいたま観光大使の村田綾さんは「学校行事などで『見る側』としてたびたび訪れてきた同会館には、親から私の代まで2世代にわたる思い入れがある。現在はイベントに出演することで『届ける側』として会館に関係することも多くなり、『役に立てることがあったら』と実行委員会の一員に加わった」とほほ笑む。
同イベントは3月18日から4日間にわたり行う。1370席の大ホールでは、近隣児童・生徒による吹奏楽演奏会や学校対抗イベント、小ホールでは大宮出身の漫画家・あらい太朗さんの書き下ろしによる大宮にまつわる舞台公演、お笑い芸人や落語家による公演を予定しているほか、同会館に隣接する山丸公園では大宮グルメが楽しめるマルシェも企画中だという。
久世さんは「近隣住民はもちろん、今は大宮を離れている人にも、まずはイベントの存在を知ってもらいたい。閉館までの4カ月間で一人一人の思い出を発掘してもらうきっかけを提供できたら」と話す。イベントの総合プロデューサーも務めるあらいさんは「番組の公開収録やコンサートなどでは、『入りたくても入れない』場所だったかつてのにぎわいをイベントで再現してフィナーレを盛り上げることができたら」と意気込む。
現在、クラウドファンディングによる支援も募集している。同委員会メンバーの森田圭一さんは「幅広く使われてきた同会館だからこそ、それぞれの思い入れや記憶も多岐にわたるはず。今回はイベント全体を3つに区切ってそれぞれに支援を募っている。共感してもらえるイベントにはクラウドファンディングで参加して」と呼び掛ける。募集は12月23日まで。