「おもちゃ花火大会」が9月3日、さいたま市営桜木駐車場(さいたま市大宮区桜木町3)で行われた。
「近隣の人たちに気兼ねなく花火を楽しんでほしい」と桜木町2丁目第3区、同第4区、桜木町3丁目、大成町1丁目八幡、イーストハイム大成の5自治会が主催する同大会は今回が3回目。開始時刻の17時30分になると、参加者は各自で用意した花火を手に、展示された消防車の周辺に集まった。さいたま市消防団桜木分団の中山久雄さんが「振り回さない。持ったまま走り回らない。終わったらバケツの水で火を消す」と呼びかけた後、参加者はグループごとに分かれて思い思いに花火を楽しんだ。
友達同士で遊びに来たという3人連れの女児はいずれも大成小学校3年生。「みんなで花火をするのは1年ぶり」「楽しい」「来年もまたやりたい」と話していた。母親たちによると、家の近くで花火ができる年に一度のこの機会のために100本ほどの花火を持参したが、3人は1時間ほどで使い切ったという。
水を入れたバケツ、ろうそく、ろうそくを立てる空き缶、点火棒などは各自治会が用意した。40個ものバケツを用意した自治会もあったが、途中で足りなくなるほどの人出だった。「正確な人数は不明だが、昨年と同じ500人くらいが参加したのでは」と大成町1丁目八幡自治会の小野安史会長。「さいたま市では公園での花火は原則禁止されているため、このような機会を除くと、子どもたちには花火を楽しめる場所がない。今日は子どもたちの生き生きとした顔を見られて、こちらもうれしくなった」と話す。
「子ども夏まつりひろば」も前回に続き同時開催。参加者は「くじ」「輪ゴムでっぽう」「水ヨーヨーつり」「ドキドキボー」などを無料で楽しんだ。運営を手伝ったのは大原法律公務員専門学校大宮校とクラーク記念国際高等学校さいたまキャンパスのボランティアの学生たち。いずれのブースにも順番を待つ子どもたちの長い列ができた。
会場となった市営桜木駐車場について、さいたま市は2024年4月より、2.7ヘクタールの敷地のうち1.8ヘクタールを民間事業者に貸し出すとしている。0.9ヘクタールについては「まちづくり用地」として活用されることになっており、その一部は多目的広場(公園)として整備される。会場の一角では多目的広場(公園)のコンセプトや設置を希望する施設などについてのアンケートも行われた。
参加者からは次回以降の開催を危惧する声も聞かれた。さいたま市東日本交流拠点整備課の宮下大さんは「おもちゃ花火大会については、地元の方がとても喜んでいるという声を頂いており、うれしく思っている。今後も自治会からの要望があれば、できるだけ協力させていただく」と話す。