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さいたま市・図書館隣りにエシカルカフェ 人と自然と地域社会つなぐ拠点に

「やどかりの里」の宗野政美さんと宗野文さん夫妻

「やどかりの里」の宗野政美さんと宗野文さん夫妻

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 「エシカルカフェ としょかんのとなり」(さいたま市見沼区堀崎町)が週5日で本格的な営業を始めて、12月12日で3カ月がたった。運営は「やどかりの里」の「未来を拓(ひら)く つなぐ・つくるプロジェクト」。

「やどかり農園」のヤギのキキとララをあしらった再生PETエコバッグ

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 やどかりの里は1970(昭和45)年に活動を始め、精神障がいのある人の「ごく当たり前の生活の実現」を目指し、暮らしを支える活動に取り組んでいる。事業内容は相談支援、生活支援、就労支援、出版・印刷や講演活動を通した啓発活動など多方面にわたる。

 同プロジェクトはやどかりの里が「ファイザープログラム~心とからだのヘルスケアに関する市民活動・市民研究」(2020年度~22年度)の助成を受けて始めたプロジェクト。「エシカルカフェ としょかんのとなり」はその地域拠点の一つ。「エシカル」とは人や社会、地球環境に配慮し、持続可能な未来に責任を持つための考え方や行動を言い、「見沼の魅力を未来につなぐ」ソーシャルファーム(社会的企業)づくりを目指し、カフェが地域の人々が交流し、助け合い、心地よいつながりを築く場になることを目標にしている。

 店内では、無肥料自然栽培で同グループの「やどかり農園」が育てた野菜の加工品や麦ストロー、障がい者福祉施設で作ったカラフルな手作り雑貨、プロジェクトメンバーでもある「環境サミット」の発酵食品の販売のほか、「みぬま電力」が移動式ソーラーパネルを活用した充電器を設置し,自然エネルギーの情報を発信する。みそ作りのワークショップなど地域住民の交流の機会をつくり、「まちなか保健室」では精神保健福祉士・看護師・保健師・薬剤師がキッチンカーと共に地域に出向いて住民の相談を受ける取り組みも行う。「エシカルを意識して、店内のテーブルは地元工務店の協力で建築端材を使い、みんなで作った」とプロジェクト事務局の宗野文さんは話す。

 やどかり農園代表の宗野政美さんは「社会的に孤立せず、誰かとつながり、ホッとできる居場所や出会いの機会をつくりたい。この地域に暮らす人たちのニーズを大切にし、地域の発信源や活動拠点としてさまざまな人々と関わり、活動をリンクさせていけたら」と意気込む。

 カフェのメニューは、やどかり農園の野菜や地元で生産された食材を積極的に活用したプレート料理やデザート、フェアトレードのコーヒー豆を使って提供する。「水出しコーヒー」(400円)は障がい者の就労支援や放課後デイサービスなどを運営するNPO法人「ゆうの樹」から仕入れたコスタリカブラビダ村のコーヒー豆を使用。「ビネガードリンク/ソーダ」(350円)、「甘酒スムージー」(400円)。「となりのホットドッグ」(600円)は障がいのある人の働く場、川口市の「晴れ晴れ」のパンに、川口市の「東京ウィンナー」の低添加ソーセージを使い、「米粉のシフォンケーキ」「米粉と豆腐のワッフル」(以上400円)には、さいたま市産の米粉を使っている。

 ランチタイムは11時30分~14時。ポトフやサムゲタンなどの「週替わりランチセット」のほか、「グリーンカレーランチセット」(以上、1,200円)、「ホットドッグランチセット」(900円)。全て、ドリンク・スープ・プチデザートが付く。火曜は管理栄養士の献立で作る「エンジュ」のヘルシー弁当、水曜は喫茶店ルポーズの洋食ランチボックスも販売する。

 営業時間は11時~16時。日曜・月曜・祝日定休。

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