首都圏私立中学入試の皮切りとなる埼玉県での試験が1月10日に始まり、栄東中学(見沼区砂町2)では早朝から約3000人の受験生が集まった。
県の学事課によると、2024年度に生徒を募集する県内の私立中学は31校で、募集人員は前年度より178人増え3708人。4日時点での出願者数は前年度より1万1003人増え6万517人、前年比22.2%の大幅増。
10日に入試を行った学校は浦和ルーテル学院、浦和実業学園、大宮開成、開智など県内の私立中学のおよそ8割に上り、1都3県で最も早い中学入試シーズンの幕開けとなった。
4日時点で出願者数、倍率共に最高の栄東中学では、5日間にわたって計4種類の入試を行う。同校アドミッションセンターによると、9日時点での総出願者数は1万2918人。最初の試験日に当たる10日の「A日程」に出願したのは5598人で、3カ所の試験場に分かれて受験した。栄東中学試験場では最寄り駅の東大宮駅から学校までの約700メートルの歩道に受験生と保護者が長い列を作った。
吉川市から来た親子は「栄東は志望校のうちの一つ」と話す。美南小学校6年生男児は「合格して入学したい」と意気込み、母親は「最後まで諦めずに頑張って」と男児を力づけた。
県内最大のターミナル駅である大宮駅周辺のカフェやファストフード店は子どもたちの試験が終わるまで待機する保護者たちで混雑した。埼玉栄の試験会場まで子どもを送り届けた後、時間をつぶそうと大宮駅へ来たと言う渋谷区在住の2人連れの女性は「何軒か見て回ったが、どこも満席だった。話には聞いていたが、受験に来ている親子が多くて驚いた。ここからが本番なので、志望校合格まで親子共に頑張りたい」と話していた。