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さいたま市の障がい者支援「カフェ・ティコ」5周年 コスタリカコーヒー売りに

5周年を迎えるさいたま市大宮区の「カフェ・ティコ」のラテン風店内

5周年を迎えるさいたま市大宮区の「カフェ・ティコ」のラテン風店内

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 さいたま市大宮区の精神障害者支援団体「特定非営利活動法人ゆうの樹」が運営する喫茶「カフェ・ティコ」(さいたま市大宮区大成町3、TEL 048-661-5554)が1月1日に5周年を迎えた。

さいたま市大宮区の「カフェ・ティコ」代表理事の細谷浩司さんとスタッフの和嶋三智明さん

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 精神障がいや発達障がいのある人が一般就労に向けたトレーニングに取り組む趣旨で営業する同カフェは、同団体が運営する多機能型事業所ユウノキ(就労移行支援・就労継続支援B型)の施設の一つ。

 看板メニューはコスタリカコーヒー中煎(い)り(280円)。中米のコスタリカ共和国の農園組合が無農薬栽培で生産したコーヒーの生豆をフェアトレードで直輸入している。生豆を同事業所で手作業で選別し、焙煎(ばいせん)、豆ひき、袋詰めをしている。同団体代表理事で精神保健福祉士の細谷浩司さんは「コスタリカのコーヒーは品質が高い。香りがよく、軽やかで飲みやすいとよく言われる」とコスタリカコーヒーの魅力を話す。

 ほかにキーマカレー・スープつき(単品500円、ドリンクセット420円+ドリンク代)やバングラデシュの紅茶(280円)などを提供。店内はラテン風にまとめられ、天井からハンモックがつり下げられている。同事業所では古書の販売も手掛けているため、店内にある本を読みながらコーヒーを飲むこともできる。

 同事業所の利用者は、事業所内の他の作業も含め、細分化された業務を一つ一つステップを踏んで訓練を積み重ねていく。同カフェはその仕上げで、コーヒー焙煎・抽出、調理、接客、片付けや清掃など幅広い業務があるため、一般の職場に近い環境となる。自立度の高い人が同カフェを足掛かりにして一般就労へと挑戦していく。

 同カフェで職業指導員を務める和嶋三智明さんは「利用者は一人一人違うので難しいが、理解するように努めている。積み上げてきたものを生かして課題を乗り越えてもらいたいので、仕事を覚えたら付きっきりではなく自分でやってもらう。言葉遣いや礼儀、自分の意見を言う、相手を受け入れることなど対人スキルも重視している」と説明する。

 細谷さんは「最初は不安が強く、ぎこちなかった利用者もだんだん慣れて成長する。少しでも苦手を少なくし、できることを増やしていってほしい。一人一人に合わせたオーダーメードの支援を提供していく。カフェを訪れた際は精神障がい者の就労や国際協力活動について知る機会にしてもらいたい」と話す。

営業時間は10時30分~16時。水曜・日曜・祝日定休。

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