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さいたまの創業200年の漬物店で「つけものカフェ」 漬物使った洋風メニュー用意 

染谷店長と新メニューのスフォリアテッラ

染谷店長と新メニューのスフォリアテッラ

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 創作漬物店「河村屋大宮本店」(さいたま市北区別所町、TEL 048-667-6733)ギャラリースペース「一福庵」で現在、期間限定企画「春のつけものカフェ」を行っている。

大福神漬けゴロゴロアランチーニ(関連画像)

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 創業約200年になる老舗漬物店の同店。玉ねぎの漬物や、エリンギ、豆腐、チーズを使った創作漬物を中心に、旬の彩りを添えた浅漬けのほか、定番の古漬け、みそ漬け、などもそろえる。

 店長の染谷静香さんは、イタリア留学の経験などを生かし、同ギャラリーを使い、期間限定のカフェ・かき氷店、チェロの演奏会付きランチ、ぬか漬け教室、キムチ教室などを行っている。自ら近隣の地域にチラシをポスティングし、地域のイベントに出店するなど、企画・運営を通じ「漬物」の可能性を広げている。

 染谷さんは「老舗ならではの新旧スタイルの移行期には、時として意見衝突することもあるが、お客さまに漬物の可能性や楽しみ方を伝えることを優先させている。夏と冬の漬物教室は毎回満席、カフェもかき氷も時には空席待ちのお客さまが並んでくださるくらい盛況になり、今では社内で応援してくれる体制になりつつあると実感している。みんなにとって楽しめる企画は、きっとお客様にとっても楽しい企画になると信じている」とほほ笑む。

 漬物を使った洋風カフェメニューを提供する「春のつけものカフェ」は2016年に始まり今年で3回目。染谷さんは「今回はがらりとメニューを変えようか迷ったが、毎年お気に入りのメニューを楽しみに来てくださる人も多いので、食事は同じメニューにし、デザートを新しく追加したほか、オムライスに使う卵を、寄居町の自然飼料・放し飼い卵にした。とてもおいしいのでぜひ味わっていただければ」と話す。

 「つけものランチ」(1,080円)はメインを「大福神漬けゴロゴロアランチーニ(ライスコロッケ)」「エリンギ黒コショウ漬けのオムライス」「玉ねぎ赤ワイン漬けとサーモンのベーグルサンド」の3種用意し、スープ、サラダ、甘酒ババロア、ドリンクをセットに付ける。それぞれ漬物や米麹(こうじ)などを使っている。「漬物が苦手な人でも大丈夫。おいしく漬物の良い栄養素を取り入れていただける」と染谷さん。

 新メニューデザートの「みりん粕(かす)とオレンジのスフォリアテッラ」(486円)は、サクサクのパイ風生地を貝殻の形に焼き上げ、中にオレンジの風味が口いっぱいに広がるクリームを挟んだもの。染谷さんは「イタリアでは、町のいたるところにある『バール』で出す手軽なデザート。それをアレンジして、クリームには発酵食品であるみりん粕を入れている。温かいサクサクのパイと冷たいクリームのコントラストを楽しんでいただけたらと通常の製法を少し工夫している」と話す。乳酸菌入り「ノンアルコールの自家製米麹甘酒」(324円)も用意。「砂糖は一切入れておらず、米麹とフルーツソールで甘すぎず、さっぱりとした後味となっている」とも。

 近隣の会社に務めているという女性は、昨秋の「秋のつけものカフェ」で最多来店数を記録したほど通ったという。「ご飯もパンもあって、若い人にも合うテイストなので、いつも楽しみに通っている。今日もデザートをテークアウトしてもらって、会社のみんなでいただくつもり」と話す。上尾市から親子で来店した女性は「オムライスがさっぱりしてフワフワ。デザートもクリームがおいしくコーヒーと合う。期間限定ではなく通年やってほしい」とも。

 染谷さんは「漬物は体に良いものがたくさん入った日本伝統の食べ物。そのまま食べてもおいしいが、アレンジ次第で洋風にも和風にも合う素材になる。その発見を楽しんでいただければ。サイトにレシピも紹介している」と話す。

 4月20日、5月4日・19日は東京スカイツリーのエレベーター内に流れる音楽を作曲・演奏しているチェロ奏者・飯島奏人さんのミニコンサートを行う(要予約)。4月26日~29日は絵画陶芸作品展覧会もギャラリー内で同時開催する。

営業時間は木曜・金曜・土曜・日曜=11時~15時。5月20日まで(5月6日は休み)。

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