さまざまな種類の木の色や質感などの素材の魅力を最大限に引き出した作品作りを続けている藤本雄策さんの「木の仕事展」が現在、さいたま新都心の「あるぴいの銀花ギャラリー」(さいたま市大宮区北袋町1-130、TEL048-647-2856)で開催されている。
藤本さんは、武蔵野美術大学に在学中から、種類によってさまざまな木目や色、質感があることに着目。着色などはせず、素材のそのままの魅力を引き出した作品作りを続けている。さまざまな色の木材を使ったドームの中に不思議な生き物の生活をのぞき見ることができる「peeping dome」や、木の色をそのままに本物そっくりに仕上げた「無着色の木でできたバナナ」、引き出しの中にいる小さな王様を鍵穴からのぞき見ることができる「kings in the drawers(引き出しの中の王様)」など、無着色とは思えない色彩豊かな作品が多い。
動きのある作品が多いのも特徴で、「peeping dome」には手製の木製歯車が多数組み込まれており、ハンドルを回すとドームの中身が回転するほか、レバーで切り替えると上下に付いているプロペラが回る。「kings in the drawers」はゼンマイ仕掛けになっており、引き出しの中の2人の王様がホットケーキを切ったり、むしゃむしゃ食べたりと緻密に動く仕掛けとなっている。
藤本さんは「木は、色の違いだけでなく、加工のしやすさや、湿気や乾燥による変形など、特性が大きく異なる。これらを組み合わせて作品を作るのはとても大変だが、素材としての木の魅力を楽しんでほしい」と話す。
開場時間は11時~18時(最終日は16時まで)。入場無料。7月1日まで。