
第53回「大宮日進七夕まつり」が8月6日・7日の2日間、日進七夕通りからさいたま市立日進小学校(さいたま市北区日進町2)の校庭にかけて開かれ、約16万人が来場した。
1973(昭和48)年に商店街を盛り上げようと日進商店街(現・きらら商店街振興組合)が始めた同祭。当初は日進駅前から約300メートルの区間で催していたが、2013(平成25)年から同小の校庭まで規模を拡大した。現在は実行委員会を中心に、商店街や日進地区各自治会、PTA七校連絡協議会、日進コミュニティーセンター、埼玉福祉事業協会など地域全体で作り上げるイベントとなり、今年は露店や商店、キッチンカーなど約140店が出店した。
日進駅前の「願いごと短冊コーナー」は、「ボーイスカウトさいたま第8団」が企画。同団体に所属して57年になる武藤敦さんは「以前はテント設営やごみ拾いを担当していたが、子どもたちがもっと活躍できる場を設けたいと15年前に短冊コーナーを始めた。皆さんの楽しみになっているとうれしい」と話す。同商店街の「美容室Lulu malu(ルルマル)」では、前髪カットサービス(300円)やヘアアクセサリー(1個250円)を販売。同店の土屋俊明さんは「多方面からお客さんが集まり、気軽に立ち寄ってもらえるいい機会になっている」と話す。5年前に同地区に移転した洋菓子店「パティスリーM(エム)」は「えむパイグランデチョコバナナ」(800円)や「スイーツかき氷 いちごとピスタチオ」(1,000円)などを販売。店主の坂田充さんは「毎年、限定の特別メニューを販売している。物価高の影響も実感しているが、この日にしか食べられないスイーツを今後も企画したい」と話す。
祭りの準備や運営は、東洋大学公認サークル「学ボラ」大宮日進七夕班の学生がボランティアでサポート。8年前、同地区出身者が同サークルにいたことをきっかけに担当班が立ち上がった。同大学4年で班長の露木泰さんは「毎年、同地域のイベントをいくつか手伝っている。通りにはいつも有線音楽が流れ、町の人も親切で元気な町だと感じる。スタッフとしての参加は今年で最後になるが、今日は自分たちの『若い力』で日進を精いっぱい盛り上げたい」と話す。
同実行委員長の関根信明さんは「さまざまな方面の協力を得て、地域の力を合わせて開催できているのが本当にありがたい。地域の高齢化で商店街も空き店舗が目立つようになり、七夕飾りも減ってきているが、ステージや出店などに地域の若い人を誘って盛り上げようと皆で頑張っている。日進七夕通りでは11月9日にもイベントを予定しているので、遊びに来てほしい」と話す。