
「夏休み理科実験教室~プラスチックのふしぎ~」が8月2日、日進町2丁目自治会館(さいたま市北区日進町2)で行われ、近隣の小学生31人が参加した。主催はNPO法人「しらさぎサポーターズ」。
「日進小学童保育の会」の運営を担当していた保護者たちが「卒所後も学童や子どもたちの支援をしたい」という思いから、2018(平成30)年に活動を始め、2023年にNPO法人化した同団体。今回の教室は、同団体代表の青柳朋信さんが所属する公益社団法人「日本技術士会」埼玉県支部・科学技術振興委員会の中田よしみ委員長から「子どもたちが理科好きになるような実験教室を開いてみないか」との提案を受けて企画した。
テーマは「プラスチックのふしぎ」。同委員会の山崎千恵さんが、「生分解性プラスチック」について、従来の「石油から作ったプラスチック」との違いを環境問題に絡めて解説した後、今回取り組む「牛乳とレモン汁で作るプラスチック生成実験」をデモンストレーションした。温めた牛乳にレモン汁を入れて混ぜたものをコーヒーフィルターや排水溝ネットでろ過し、かたまりが出てきた様子を見た子どもたちからは「実験で出てきた水は飲めるのか」「ヨーグルトのにおいがする」など、質問や感想が飛び交った。実験は子どもたちが個々に行い、同委員会の技術士と学童を卒所した学生ボランティアが各テーブルに付いてサポートした。実験の最後には、絵の具を加えたり、持参した型に入れたりして成型した。
参加した小学3年の本塚寛也さんは「親に勧められて来たけれど楽しかった。固まる前のプラスチックはスライムみたいだった。環境問題について考えたことはなかったが、考えてみようかなと思った」と話した。小学5年の辺見悠真さんは「理科の授業は分かりづらい内容の時もあるけれど、実験は好き。水が乾くと固まっていたので、水を加えたら分解されると思う」と予測を立て、保護者の辺見修治さんは「子どもも内容を理解しているようでよかった。プラスチックの話は大人にも分かりやすく勉強になった。身近な材料でできる実験なので、子どもたちも身の周りのものの可能性を感じられたのではないか」と話した。
学生ボランティアで参加した高校2年の花島範浩さんは「小学2年生のテーブルに付いて手伝った。実験は試行錯誤していたけれど、面白そうに取り組んでくれた。機会があればまた手伝いたい」と話し、青柳さんは「参加者に楽しんでもらえた様子でよかった。技術士会の皆さんや卒所学生ボランティアの協力もあり、うまく進められたと思う。今秋には、研究職に就く同法人メンバーのつながりで、嵐山町の史跡訪問と自然体験活動イベントを開催する予定。これからも地域の子どもたちや家族が楽しめることを企画していきたい」と意気込んだ。