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与野本町で「アート洗い」 地域住民の手で駅前公園シンボル再び輝く

協力して清掃を進める

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 アート清掃イベント「与野本町駅前公園のパブリックアートを洗おう!」が10月11日、与野本町駅前公園(さいたま市中央区本町東1)アートストリートエリアで開催された。主催はARAU(Art Relay Action Unit)。

与野本町駅前公園でのアート洗い

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 鈴木康晃さん・知佐子さん夫婦を中心に、2023年11月から市内各地でアート清掃イベントを定期的に開催している同団体。アートを守り、育てることに目を向け、清掃を通じて作品の魅力を再発見しながら、地域への愛着や住民同士の交流を促す活動を行っている。

 今回のイベントは、同日と翌日(12日)に彩の国さいたま芸術劇場で行われた「オープンシアター」との共催企画。地域の文化芸術の魅力を身近に感じてもらおうと、清掃対象に選ばれたのは1994(平成6)年に設置の山本衛士さんの作品「内なる空」。等高線状に重なった深緑色の鉄板の上に、ステンレス製の建築物が乗せられた2つの山が連なる独特な造形が特徴。

 当日は地域住民も参加し2時間にわたって、設置から31年が経過したアート作品の清掃に取り組んだ。清掃前には参加者が作品をさまざまな角度から鑑賞し、感想や解釈を共有。その後、汚れの種類や適切な洗浄方法を確認しながら、ブラシなどを使って丁寧に清掃した。メンバーの根本賢さんは「アートイベントは制作に目が向きがちだが、清掃は最小限の労力で大きな社会的インパクトを生むエコな取り組み。作品に触れながら鑑賞できるのも貴重な体験で、作家の意図や制作過程に思いをはせることができる」と話す。

 彩の国さいたま芸術劇場の帰りに立ち寄った上尾市在住の家族も参加し、7歳と2歳のきょうだいは両手にブラシを持ち、夢中で汚れを探しては懸命に清掃に取り組んだ。

 知佐子さんは「さいたま市には素晴らしいアート作品が数多くある。毎日見慣れている作品でも、自分の手で磨くことで一層身近に感じられるはず。アート清掃が芸術への興味や地域交流のきっかけになればうれしい」と話す。

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