三橋総合運動公園近くの福祉カフェ「Cafe Fika(フィーカ)」(さいたま市大宮区三橋1)が11月1日で3周年を迎えた。
社会福祉法人西部福祉会が運営する就労継続支援B型事業所として、2022年に開業した同店。きっかけはコロナ禍。同会の主たる施設「よもの木」で、大人数での内職や清掃作業が難しくなったことから新たな施設を建設することになり、以前から検討されていたカフェの立ち上げに動き出した。趣味の一つとしてコーヒー豆の焙煎(ばいせん)を学んでいた施設長・佐藤裕之さんの存在と、利用者からの「接客をしてみたい」という声も、計画を大きく後押ししたという。
店名の「fika(フィーカ)」は、スウェーデン語で「コーヒーと菓子を楽しむ時間」という意味。福祉国家スウェーデンのイメージと重ね、「地域の人と交流しながら個性に合わせて働ける福祉カフェ」として、店内の一角では利用者が編み物製品の製作やコーヒー豆のハンドピッキングや簡単な調理や接客を担当する。
料理は日本やスウェーデンの家庭料理がメイン。ジャガイモ、タマネギ、アンチョビーをクリームと合わせて焼き上げた「スウェーデンプレートA『ヤンソンさんの誘惑』」(スープ、ご飯またはパン付き700円)と、カルダモン入りのパンにアーモンドペーストを埋め込みクリームをのせたスイーツ「セムラ」(単品520円、コーヒーセット850円)などがある。
スイーツは「リンゴのチーズケーキ」「ガトーショコラ」(以上450円、コーヒーセット750円)、「わらび餅」(380円)や「コーヒーゼリー」(530円)などを用意する。コーヒーは「マンデリン」数種類の生豆を、利用者がハンドピッキングし自家焙煎(ばいせん)して提供(480円、テイクアウトはホット=480円・アイス=500円)。他に、「オレンジレモネード」(480円)など、自家製シロップを使ったドリンクや「カルピス」(280円)などもある。
利用者が講師になって開く「編み物講習」(材料費・ドリンク代込み1,000円~)や「陶器の絵付け体験」(同2,800円)なども予約制で開いている。佐藤さんは「障害のある人もない人も自然な形で関わり、互いを知り合える場になることを願って企画している。夏休み中はお子さまや親子での参加が多かった」と話す。店内であみぐるみの販売やオーダーの受け付け、コーヒー豆の販売も行っている。
佐藤さんは「いろいろな方が同じ空間で過ごし、働き、語らうことが、地域の温かさやつながりを育むと考えて店を運営している。お客さまに来てもらえることが利用者の働く喜びや自信にもなる。気軽に立ち寄って、ゆったりとした時間を過ごしてもらえたら」と話す。
営業時間は11時~16時。土曜・日曜・祝日定休。