大宮の老舗書店「押田謙文堂」3階に11月15日、「ギャラリー サクラ モヒラ」(さいたま市大宮区宮町1、TEL 048-782-5984)がオープンした。現在、「途上国からの贈り物 素敵なものマーケット」と題してイベントを開催している。
バングラディシュの農村の女性を支援するプロジェクト「サクラ・モヒラ」(大門町3)は大学でビジネス英語の講師などを務めていた平間保枝さんが知人の元在日バングラディシュ大使のハクさんと共に約25年前に立ち上げた。現在は大宮駅東口に事務所を構えて活動している。サクラ・モヒラの「サクラ」は日本の象徴。「モヒラ」はベンガル語で女性を意味する。
平間さんは事務所のほかにギャラリー兼ショップがあればと大宮に物件探しをしている時に、「縁あって押田謙文堂から話がきた」という。明るく開放感のある26坪のスペースに常設ショップを開くことになった。
今回のイベントでは、途上国の人々が作る手作りの雑貨や服が並び、ホンジュラスコーヒーの試飲もできる。「出店者の方々は他の仕事をしながら途上国支援もしている女性がほとんど。支援する方々が報われる場を作りたい」と平間さんは話す。
ヒマラヤン・シバ・トレーディングハウス(埼玉県児玉郡)はネパールの女性たちが織り上げたカーペットを展示する。幼稚園の保護者たちの依頼で卒園記念に子どもたちが書いた絵をもとに、「世界で一つだけ」のラグマットを制作するオーダーも受けていて好評だという。
38年前に活動を始めたNPO法人幼い難民を考える会(CYR、東京都台東区台東1)ではカンボジアでの幼稚園開設、内戦によって失われそうになった伝統的なシルクの絵絣「ピダン」や藍染の技術の保全に努める。
グァテマラを拠点に活動する青い空の会は14年前に設立。グァテマラの女性たちの自立支援を目指し、民族衣装を使ったカードやカラフルなビーズ小物が並ぶ。プンタルトではホンジュラスの小規模農家が生産した、国際審査員によるCOE(カップ・オブ・エクセレンス)基準で80点以上の希少なスペシャルティーコーヒーを紹介している。
バングラディシュの人々が手つむぎした糸から手織りで作られた「カディコットン」の布や服、インナーも並ぶ。現地の職人の手で作られた刺しゅうやブロックプリントの雑貨なども紹介する。
平間さんは同ギャラリーで、将来的には常設ショップとレンタルスペースのほかに、「自然環境や途上国の歴史、手仕事が学べるレクチャーを開催していきたい」と話す。
開催時間は11時~18時(最終日は17時まで)。今月20日まで。以後はサクラ・モヒラの常設ショップ兼レンタルスペースとして営業する。