スポーツ分野でのビジネス創業を目指す若者を支援する埼玉県のプログラム「イノベーションリーダーズ育成プログラム『埼玉Sports Start-up(SSS)』」の対象者最終選考会が1月16日、新都心ビジネス交流プラザ(さいたま市中央区上落合2)で行われ、4組が採択された。
ラグビーワールドカップ日本大会や東京オリンピック・パラリンピックを控え、スポーツ産業の成長が期待されている中、埼玉県の主導で、浦和レッドダイヤモンズ、大宮アルディージャ、埼玉西武ライオンズの県内3クラブ・球団と協力して展開する同プログラム。
クラブ・球団が抱える課題の解決につながる有望なビジネスプランを持つスタートアップ・創業希望者を公募・選抜するもので、ワークショップやメンタル支援を通じて創業と振興を支援する。
応募が寄せられた70組のうち、第1次選考では43組が採択され、9月~11月に行った4回のワークショップの後、10組が対象となった最終選考会では7人審査員を含む約60人の来場者を前に、プレゼンテーション、質疑応答が行われた。
選ばれたのは、「codience」大石懐子さんによる「スポーツ×教育 ~STEM教育の提案」、「Sportip」髙久侑也さんによる「1人に『ひとつの』コーチを~スポーティップ」、「タイムカプセル」相澤謙一郎さんによる「スポーツメディア育成事業」、「playground」下郷勝啓さんによる「最先端の電子チケット×スマホコミュニケーション×付随コンテンツプラットフォームにより、ファンと地域をつなげるコネクテッドスタジアムを低コストで実現する」の4組。
大石さんは「応募すると決めた時から学びが多い日々だった。引き続き皆さまのお力を頂きつつ頑張っていきたい」と話す。下郷さんは「目標として掲げた通り100万人が盛り上がるようなイベントを実現させ、埼玉全体を盛り上げていきたい」と意気込む。
審査員を務めた早稲田大学スポーツ科学学術院教授でスポーツビジネス研究所所長の間野義之さんは「今回のプログラムでは各クラブ・チームからの課題を考慮するとスポーツマーケティングがキーワードとなっていた。スタートアップというとIT、IoT、AIに意識が向きがちだが、ローテクを生かしていくことも必要。今回はIT以外の技術を使うプランも提示されており、いろいろな可能性を感じられたプログラムだった。これからがスタートだと思うので、ぜひ引き続き頑張っていただきたい」と期待を寄せる。