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大宮で海上自衛隊の数学教官がセミナー 身近な話題テーマに

セミナーを行った佐々木淳さん

セミナーを行った佐々木淳さん

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 防衛省海上自衛隊の数学教官・佐々木淳さんが8月19日、大宮でセミナー「身近なアレを数学で説明してみる」を開催した。

セミナーの様子 身近な話題をテーマに取り上げる

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 佐々木さんは、海上自衛隊小月航空基地(山口県下関市)で、航空学生と呼ばれる将来のパイロット候補生に数学の教務を行っている。同基地は、海上自衛隊・航空部隊のパイロットや戦術航空士を育成するための教育機関で、2年間の養成期間中、トレーニングや規範習得のほか、1年目は数学や物理、英語など、2年目には航空力学や航空法など専門的な学問を学ぶという。

 同セミナーは、2019(平成31)年1月発売の佐々木さんの著書「身近なアレを数学で説明してみる」(ソフトバンククリエイティブ社)の出版を機に、山口県や佐々木さんの出身地である宮城県を中心に開催。佐々木さんは「お子さんを連れて3世代で来てくださる方や、私と同じ数学好きの男性など、参加者は毎回さまざま」と話す。参加者の世代に合わせ、講演する内容を変えるという。東京都でテレビ番組制作を行っているという参加者の男性は「学生時代、私も数学を勉強してきたが、娘も含めて数学嫌いの人によく出会う。数学・算数というだけで『NO』という人が多い中で、このような活動をされているのは立派だと思う」と笑顔で話した。

 佐々木さんは、東北大学大学院を卒業後、大手予備校の数学講師として就職。自身が学生時代、予備校に通ううちに数学講師を目指すようになったという。2006(平成18)年から現職で、これまでに約1000人の航空学生を指導してきた。佐々木さんは「数学を教えるという点では、予備校でも海上自衛隊でも変わりないが、航空学生は『将来パイロットになりたい』という明確な目標があるので、モチベーションが高いと思う」と話す。

 同書では、分数の割り算を、逆さにし掛け算にして計算する理由や、計算機も計算できない数式があることなど、身近な話題をテーマに展開。佐々木さんは「IT化が著しい世の中にもかかわらず、日本人の数学離れが進む現状に問題意識を持っていた。自衛隊の活動や航空学生をより広めたいという思いも込めて、自分の経歴を生かして活動している」と話す。佐々木さんの実家も被災したという東日本大震災の際、以前の教え子の自衛隊員が救助に当たる姿を見て、自分も自衛隊をもっと知ってもらえるように貢献したいと考えるようになったという。

 佐々木さんは「計算力を付けるだけでも数学の苦手意識の半分は解決できる。小学生の計算ドリルもお薦め。まずは面白いなと感じられることから始めてみて」と話す。「今後は航空学生について、より皆さんに知ってもらえる活動をしていきつつ、学習参考書やドリルのような書籍も展開していけたら」とも。

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