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鉄道博物館「走るレストラン~食堂車の物語~」展 食堂車、120年の変遷

1899(明治32)年に日本初の食堂車で提供されたメニュー

1899(明治32)年に日本初の食堂車で提供されたメニュー

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 鉄道博物館(さいたま市大宮区大成町3)で秋の企画展「走るレストラン~食堂車の物語~」が開催されている。

1938(昭和13)年当時の食堂車のメニューを模した「洋食定食」(関連画像)

 日本に食堂車が誕生してから今年で120周年を迎えたことを記念して、食堂車にまつわる歴史を紹介。同館2階のスペシャルギャラリー1に、食堂車にまつわる資料約400点を「食堂車の始まり」「鉄道国有化後の食堂車」「食堂車の廃止と復活」など5つのテーマに分け展示している。

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 展示を企画した同館学芸部の五十嵐健一さんは「女性やお子さまにも分かりやすく楽しんでいただけるよう、映像や音声も加えた展示になっている」と話す。1955~1964年(昭和30年代)ごろに急行「雲仙」の車内で流されていた食堂車の案内放送の音声や、1966(昭和41)年に0系新幹線「こだま111号」で録音されたビュッフェの車内音、定点カメラで撮影されたクルーズトレイン「TRAIN SUITE四季島」の車内キッチンの映像など、目と耳で楽しめる内容となっている。

 「食堂車の歴史を知るとともに調理設備の移り変わりにも注目していただきたい」と言う五十嵐さんによると、食堂車の厨房(ちゅうぼう)では明治時代から昭和中期ごろまで「石炭レンジ」が使われていた。その後、1951(昭和26)年に渦巻き状になった電熱線が埋め込まれた「電気レンジ」が登場した。今では一般の家庭でも広く使われている「電子レンジ」が食堂車の厨房に初めて設置されたのは1961(昭和36)年のことで、「電子レンジ」の普及に国鉄のビュッフェが大きく貢献したことなどがパネルで紹介されている。実際に食堂車の厨房で使われていたものではないものの、「石炭レンジ」の実物も見ることができる。

 1938(昭和13)年に「日本食堂」(現・日本レストランエンタプライズ)が設立される以前、食堂車の営業は精養軒(せいようけん)、みかど、東洋軒(とうようけん)といった専門業者が担当し、それぞれが特色を競っていた。車内放送の設備がなかった当時、食堂車の営業開始の時間になると、食堂車の案内やメニューなどの文言と共にイラストが描かれた手のひらサイズの小さなチラシが乗客に配布された。同展ではこれらのカラフルな「食堂車案内チラシ」も多数展示され、当時をしのぶことができる。

 企画展に合わせて、館内ではさまざまなイベントなども行っている。「トレインレストラン日本食堂」では1938(昭和13)年当時の食堂車のメニューを模した「洋食定食 ダブルビーフステーキ」(3,000円、税別)が提供されている。「てっぱくシアター」では「あさかぜ」の食堂車で働くスタッフのドキュメンタリー映像を上映しているほか、「カシオペア」総料理長と学芸員によるトークショーも予定する。

 開館時間は10時~18時(入館は17時30分まで)。火曜休館。2020年1月19日まで。

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