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大宮・武蔵一宮氷川神社で「奉納菊花展」 七五三詣での晴れ着に花添える

丹精込めて育てられ大輪の花を付けた菊

丹精込めて育てられ大輪の花を付けた菊

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 武蔵一宮氷川神社(さいたま市大宮区高鼻町1)で「奉納菊花展」が開催されている。主催は武蔵菊花会。

菊の御紋のように見える「一文字菊」(関連画像)

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 埼玉県内の菊の愛好家37人が所属する武蔵菊花会による同展は今年で70回目。会員たちが丹精込めて栽培した約450鉢の菊が氷川神社境内に展示されている。副理事長の蓑輪博男さんによるとこの時期に全国各地で開催される「菊花展」の起源は、五節句の一つである「重陽節」に菊を愛(め)でたり、菊の花びらを浮かべた菊酒を飲んだりする中国の風習にあるという。これが日本に伝わり、平安時代には宮中行事として宴が催されていた。近代以降、庶民の間にも広まり、持ち寄った菊の咲き具合を比べ合うようになった。品種改良も盛んに行われ、現在も毎年新種の菊が誕生しているという。

 同会では1月に一括して苗を仕入れ、蓑輪さんと佐藤昭次さんが「挿し芽」をして増やしたもの物を5月ごろに会員に配布する。会員は、月に1度開かれる講習会で指導を受けながら各自で菊を育て、11月に氷川神社に奉納する。

 菊の「仕立て」には、「福助」「三本立て」「懸崖」など、さまざまな種類がある。「福助」は鉢底から花首までの長さが40センチ以下、1本の茎から3本に枝分けさせる「三本立て」は105センチ以上165センチ以下と細かく決められている。「菊花展」は品評会を兼ねており、花の美しさはもちろん、規格に合っているか、虫が付いていないかなども審査の対象になる。今年は8鉢が最高賞の氷川神社宮司賞を受賞したほか、農林水産大臣賞、文部科学大臣賞、経済産業大臣賞、経済産業副大臣賞、埼玉県知事賞、さいたま市長賞、埼玉県議会議長賞、さいたま市議会議長賞などが、4人の審査員4人によって選ばれた。

 会員たちが今年特に力を入れた「一文字菊」は一重咲きで、幅の広い花びらが水平に開いて咲くため、上から見ると皇室の紋章である菊の御紋のように見える。新天皇の即位を祝賀しようと、今年初めて栽培に挑戦した会員も多かったという。

 11月は七五三詣でのシーズンであるため、境内は多くの参拝客でにぎわい、足を止めて菊の花に見入る人も多く見みられる。記念撮影スポットにも同会の会員が育てた菊の花を配置し、子どもたちの晴れ着に文字通り花を添えている。

 楼門の開門時間は6時~17時。今月15日まで。

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