ヨーロッパ野菜の栽培や販売を行っている「さいたまヨーロッパ研究会」が6月9日、「農家がすすめる 野菜が美味(おい)しいレストラン」を発表した。
さいたま市内の野菜農家・シェフ・種苗会社などが所属する同研究会。農家の会員13人が中心となり、埼玉県内の飲食店を訪れ選出を行った。
同研究会事務局の福田裕子さんによると、レストラン向けの野菜を栽培している同研究会には、全国から「埼玉で野菜料理のおいしい店を紹介してほしい」との問い合わせが多いという。「勉強のために飲食店を食べ歩く機会も多く、ここの野菜料理がおいしい、皆に知ってもらいたい」との思いから、同企画を始めたという。
選出には、2点の基準を設けている。1点目は、野菜料理がおいしいこと。普段から自分たちが作った野菜を食べる機会が多い農家は、店でもしっかりと野菜の鮮度や味が保たれているか、2点目は、積極的に地元の野菜を取り入れ、農家を応援している店であることを見るという。
「野菜が美味しいレストラン」に選ばれた「ヨロ研カフェ」(さいたま市岩槻区6、TEL 048-720-8512)のお薦めメニューは、「ヨロ研野菜たっぷりのワンプレート」(1,430円)。野菜が入ったミネストローネやサラダなどに加え、旬の野菜メニューが並ぶ。6月は、ズッキーニの花の中に、モッツアレラチーズとアンチョビーを入れ、衣をつけて揚げた「花ズッキーニフリット」は、珍しさもあり人気が高いという。
同レストランの新妻直也シェフは「日本では野菜が主役になることがあまりない。ほうれん草のおひたしなど、わき役になってしまう。花ズッキーニは、これだけで料理の主役にもなれる。野菜が主役になれるメニューを提供していきたい」と話す。
ランチプレートを食べた越谷市在住の女性客は「野菜がたくさん入っていてうれしい。野菜のうまみ、だしがしっかり出ている。また来たい」と話していた。
「野菜が美味しいレストラン」は、店の入り口に貼られた赤いステッカーが目印。事務局の福田裕子さんは「今後も定期的に選出し店を増やしていくことで、埼玉県のおいしい飲食店を知ってもらう機会、地元野菜のおいしさを知ってもうらきっかけにつなげていきたい。野菜料理のミシュランのような存在になれれば」と意気込む。