新型コロナウイルス感染症の影響で休業していた「ヨロ研カフェ」(さいたま市岩槻区本町6)が6月2日、営業を再開した。
さいたまの野菜農家・シェフ・種苗会社などが協力して「シェフが本当に欲しい野菜」を栽培し、地産地消を目指す「ヨーロッパ野菜研究会」が作るヨーロッパ野菜を使ったメニューを中心に提供する同カフェ。ヨーロッパ野菜の直売や、さいたま市の特産品を販売するコーナーも併設する。
さいたま市岩槻人形博物館併設施設の「にぎわい交流館いわつき」内に2月22日、博物館と同時にオープンしたが、新型コロナウイルス感染症の影響で、開店からわずか10日目の3月2日から6月1日まで休業していた。
スタッフの藤田汀さんは「オープン初日から多くのお客さまに来ていただいて、おいしそうに召し上がっていただく様子や、ヨーロッパ野菜をお買い求めいただく方がたくさんいらして、本当にうれしかった。4月5月とテラス席での食事や岩槻の街散歩にぴったりな季節に営業できず残念だったが、ようやく再開できてほっとしている」と話す。
新妻直也シェフは「地域の方たちが喜んでくれてうれしい。農家の方たちが大切に育ててきた野菜を無駄にしないために販売や調理を再開することができてよかった。これからは白ナス、星形のオクラなど夏野菜がおいしい季節なので楽しみに来てほしい」と呼び掛ける。
ヨーロッパ野菜は多くが岩槻区の農家が生産しているが、これまで同区でヨーロッパ野菜を中心に使ったメニューを出すレストランがなかったという。同研究会事務局の福田裕子さんは「やっと地元岩槻に店を出すことができて、メンバーもとても喜んでいる。もっと地元の人にヨーロッパ野菜を食べてもらいたい」と期待する。
メニューはヨーロッパ野菜をふんだんに使った「ヨロ研パワーサラダ」「ミネストローネ」「パン」を盛り込んだ「ヨロ研野菜のワンプレート」(1,430円)、「ビーツのパンケーキ」(880円)、「フレッシュスムージー」(550円)、「秩父産オリジナルジェラート」(シングル=440円、ダブル660円)など。
ジェラートは、「池田さんのバジル」「地元岩槻の鈴木酒造の純米吟醸の酒粕バナナチョコ」など季節ごとに変わるメニュー10種を楽しめる。
席は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため通常より減らしており、ゆとりを持たせたほか、テラス席も用意。「やっと来られた」と再開を喜びながら入店する客や、ヨーロッパ野菜を吟味する客などが見られた。
浦和区から夫婦で来ていた鈴木伊勢さんは「前にも来たことがあるが、食事は今日が初めて。普段なかなか食べられないような野菜がとても食べやすく調理されている。ヨーロッパ野菜は大宮駅コンコースでのマルシェで知った。サラダなどにして食べたが、小学生の子も喜んで食べていた」と話す。
営業時間は、新型コロナウイルス感染症の影響で現在は10時~17時。