ベーグル店「こむぎ ベーグル&コーヒー」(さいたま市北区土呂町1、TEL 048-741-4608)が4月25日、オープン5周年を迎えた。
ズラッと並んだベーグルは、昼前には売り切れになってしまうことも
できるかぎり農薬などの利用を抑えて栽培された野菜や材料を使い 、長時間低温発酵製法で作ったベーグルを常時23種並べる同店。2階にカフェを併設し、ドリンク、サラダやスープランチセットなども提供する。メニューに使う野菜は有機野菜のみでドリンクの素材もこだわっているという。店長の戸草内陽介さんは「店として提供する以上、素材や製法は納得いくものを選び続ける」と話す。
戸草内さんは「人と人がつなぐ店を作りたい」と6年前に脱サラを決意。ベーグル店を経営するとは考えておらず、友人のパン職人からベーグルを紹介され、味や食感を追求していくうちにベーグルに魅了されていったという。卵と牛乳を使わないベーグルなら、アレルギーがある子も食べられることも、子ども好きな戸草内さんを虜にしたという。
現在は定番ベーグル種に加えて、サーモンとクリームチーズ、あんバターなどのベーグルサンドや大麦を使った商品、旬の素材を取り入れた季節限定商品を販売する。
戸草内さんは「お客さまをはじめ、周りの人たちに恵まれてここまでやってこられた」と振り返る。5周年のお祝いとして友人たちがプレゼントしてくれたという、入り口横に大きく張り出された日よけ幕には、画家で友人の岡野友敬さんが描いたオリジナルマスコット「ベーグル犬」が描かれている。同店を応援してくれているという岡野さん の絵は店内にも飾られ、壁画も描かれている。店では、作家たち の写真や絵画の展示をはじめ、焼き菓子や布マスク、プリザーブトフラワーの飾りなどの商品も販売している。いづれも同店の客として長く通っている人たちで、 戸草内さん夫婦がほれ込み「活動を応援したい」と同店での取り扱いを始めたという。
週2、3回は訪れるという平澤栄樹さんは「家族そろって『こむぎ』のベーグルが好き。カフェの居心地も良いので仕事をしたり、ゆっくり朝食をとったりと一人でもつい来てしまう」とほほ笑む。5歳と1歳の子どもを連れた勝野梢さんは「子どもに安心して食べさせられるメニューが豊富で、ここでしか味わえないおいしさが魅力」と話す。「親子でゆっくり食事が取れるように」と店長自身の子育て経験から、絵本や積み木などおもちゃが並ぶキッズスペースも設けている。
戸草内さんは「新型コロナが収束したら出張ベーグル教室やカフェスペースでのワークショップ、パーティーなどのイベントも再開していきたい。これからの5年間はもっともっと『こむぎ』のベーグルを多くの人に届けたい。これからも人と人をつないで良い循環をつくり続けたい」と意気込む。
営業時間は10時~17時(土曜・祝日は9時~)。日曜・月曜定休。