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大宮に1日限定のポップアップ書店 「会話や発見につながる500冊」を選書

「CHICACU Design Office & Bookstore」代表の直井さん

「CHICACU Design Office & Bookstore」代表の直井さん

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 書店「CHICACU Bookstore(チカク ブックストア)」が10月24日、大宮駅前の中央通り沿いのシェアスタンド「YEAST(イースト)」(さいたま市大宮区大門町3)に1日限定のポップアップ店舗として出店した。

駅前の通り沿いに連なる長屋の1階を利用したポップアップショップ

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 アートディレクター・デザイナーの直井薫子さんが企画し、店主を務めた同店。直井さんは出版社のデザイン部門やデザイン会社での勤務を経て、2019年9月に独立。代表を務める「CHICACU Design Office & Bookstore」(さいたま市浦和区)には自宅と事務所、書店を兼ねたスペースを構え、自宅の一部を開放してパブリックな空間に変えていく「住み開き」を実践している。

 地域づくりを学ぶ「ストリートマネジメントスクール」の主催で10月16日、同通り沿いで行われた社会実験イベント「スタンドストリートマルシェ」にも同店は参加。会場内に書店を出店した。直井さんは「地域づくりなどの活動に携わることが多く、自らの世界観や試みを店内で表現するだけではなく、いかに『公の場ににじみ出ていくか』を常に考えている。マルシェでは道端に本棚を設置し、その本を人々がベンチで読むといった、『本が街へにじみ出ていく風景』を目の当たりにし、とても刺激になった」と振り返る。マルシェへの出店が客や同会場関係者から好評を得たことが、今回再びのポップアップ出店につながったという。

 直井さんは「屋号のCHICACUは、『初めてのものとの出合い』の積み重ねが知覚を刺激し、一人一人の世界や社会の変化につながるという考えから名付けた。何気なく手に取った一冊が、新たな会話や発見のきっかけになれば」と話す。今回の出店では、クリエーティブなテーマを持つ書籍のほか、直井さんがイベントなどで関わった人々が携わる書籍を中心に500冊ほどを選書したという。「本をただの大量生産品として扱うのではなく、本に関わる人のストーリーや思いを届ける本屋でありたいと思っている」とほほ笑む。

 普段は浦和を拠点にする直井さんだが、大宮への出店を通して、仕事や地域といった枠を超えた新たな出会いに恵まれたという。直井さんは「大宮の飲食店主から『店内に置く本を提案してほしい』という要望を聞いたことが店にマッチした選書を行う『1棚選書』という新たな試みにもつながった。今後も本を介して、お客さまに気付きを提供していくとともに、人と人とをつなぐ新たな場や活動を生み出していけたら」と意気込む。

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