コーヒースタンド「Fucuramu Coffee Roastery(フクラム コーヒー ロースタリー)」(さいたま市大宮区大門町3)が3月1日、1周年を迎えた。
埼玉・白岡市の五島和樹さんが運営する同店。アメリカでの学生時代に大学構内のカフェでアルバイトをしていたという五島さんは、パッケージ会社などに勤務する傍ら、5年ほど前から自家焙煎(ばいせん)したコーヒー豆のネット販売を開始した。元々、モノやコトを作り出すことが好きだったという五島さんは、勤務先で新規事業の立ち上げなどに携わるうちに自分のブランドを生み出し発信したいと2021年1月、独立。3月にシェアキッチン「CLOCK KITCHEN(クロックキッチン) 氷川参道店」で週2回営業する同店をオープンした。
同店では、「ブレンドコーヒー」(350円~)などコーヒードリンク10種類以上のほか、フローズンドリンク「フクラチーノ」(コーヒー、キャラメルバニラ、お茶、以上各600円)や自家製の焼き菓子などを提供。コーヒー豆やアーティストから募ったイラストをパッケージにした「クリエイターズドリップバッグ」(170円)も販売する。
昨年の夏からは、同シェアキッチン内のイートインスペースでカレーとコーヒーを提供する「フクラムカフェ」の営業も始めた。五島さんは「テークアウトとは異なる形でコーヒーを楽しんでほしいと思ったのがきっかけ。安定した気温が保たれる屋内では、コーヒーの繊細な味わいまで提供できる。ワイングラスでコーヒーを提供することもある」と話す。
ブランド名の「Fucuramu」について、五島さんは「ドリップ時にドーム状に膨らむコーヒー豆の様子のほか、コーヒーを通して人の輪やお客さまの世界が膨らむという意味も含まれている」と説明する。「当店の商品の一つ『振舞いコーヒー』(700円)は、お客さま自身の飲み物1杯のほかに後からから来店する見知らぬ人にもドリンク1杯を進呈できるメニュー。コーヒー豆を売るのではなく人から人への気持ちを受け渡し回していく拠点にしたいという思いから始めた。想像以上にたくさんの人が利用してくれて、文化や人のつながりが膨らむ様子を実感している」とも。
1周年を記念して3月2日と4日、ドリップパックを配布するほか、限定コーヒーを販売する。いずれも数量限定。五島さんは「週に2回の営業日を目指して足を運んでくれる常連客も増えた。今後はより多くコーヒーや菓子を届けられるように体制を整えたい」と意気込む。
営業時間は月曜・水曜=8時30分~17時、日曜=9時30分~14時。フクラムカフェの営業時間は金曜=9時30分~13時30分。