埼玉県営大宮公園(大宮区高鼻町4)の舟遊池(しゅうゆういけ)で2月11日、「池底ウオーク」イベントが開催される。主催は同園スタジアム課。
昭和レトロな空き缶を回収して「懐かしい」の声も(画像提供=生態工房)
2022年11月、かい掘りによって池の水が全て抜かれた舟遊池では現在、池を干し上げている。池底に下りることができる機会に池底の観察やかい掘りの取り組みを学習するイベントを行う。併せて池底のごみ拾いも実施。池底ウオークは、12月に続いて2回目。当日は、かい掘りボランティアチーム「大宮池守(おおみやいけもり)」がサポートする。
前回の池底ウオークは、昭和期まで生活排水が流れ込んでいた暗渠(あんきょ)からスタートした。かいぼりの指導に当たる生態工房の八木愛さんが、かい掘りで池底を干し上げることの意義などについて説明した。
八木さんは「池底の土に日が当たり乾燥が進むと、土が乾いてヒビ割れをし、ヒビの隙間からさらに深い土中まで酸素が届きやすくなる」と話す。「水生ミミズなどがすめるようになり、土中の窒素はガス化して出ていき(脱窒)、リンは土中の細菌が体内にため込むことで水に溶け出しにくくなる。栄養物質である増えすぎた窒素とリンを減らすことで、池に水を戻したときに富栄養化を遅らせ、アオコの抑制にもつながる」という。
「池底クイズ」では池のどこかに生息しているカメの足跡や、飛来するサギの足跡を実際に観察し、池に来る生物の多様性について学んだ。池の水を抜いてまだ1カ月後の池底から植物の芽吹きを確認できた。参加した大人も子どもも、皆楽しみながら池や自然について学びを深めていた。
さいたま市から来た参加者は「池底を歩くのは泥に足を取られて大変だったが、ゴミ拾いでは昭和レトロな缶が出てきて懐かしく面白かった。かい掘りの仕組みが分かり、生物の痕跡を見ることができて舟遊池を前より身近に感じられるようになった。また参加したい」と話した。
埼玉県公園スタジアム課の勅使川原将吾さんは「水がない池底には不思議がいっぱい。何かの足跡や珍しい植物、レトロな空き缶などを見つけながら、池や自然の事を一緒に学ぼう。このチャンスを逃すと水が入っちゃうよ」と呼びかける。
開催時間は10時~12時(受付は9時30分~)。荒天中止。先着30人。予約不要。参加費は30円(保険代)。泥で汚れてもいい服装で、長めの長靴か胴長靴、軍手またはゴム手袋、帰宅用の予備の着替えとポリ袋の持参を呼びかける。対象は小学生以上(小学生は保護者同伴)。
2月23日には、「浅場づくり」を行う予定。