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さいたまに8階建て純木造ビル CO2削減し環境問題解決に貢献

8階建て純木造建築ビル

8階建て純木造建築ビル

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 ハウスメーカー「AQ Group(アキュラグループ)」(東京都新宿区)の8階建て純木造建築となる新社屋(さいたま市西区三橋5)が完成し、4月22日、見学会を開いた。

8階建て純木造建築ビルの内部

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 同社によると新社屋は免震装置を使わない耐震工法で、8階建ての純木造建築としては「日本初」で、6200平方メートルを超える純木造ビルを工期17カ月で建築した点や価格を従来の木造ビル建築費の半分となる坪145万円に下げるなどの点でも「日本初」だという。

 同社は、宮沢俊哉社長の「寺や神社には4階建て以上の純木造建築がある。環境問題を解決するためにも木造建築を普及させたい」という思いから8階建ての純木造ビル建設を決めたものの、8階建ての純木造ビルの建設は「一筋縄ではいかなかった」という。日本は木造建築の安全基準となる法律が整っていないほか、先行事例がなかったため、5階建て以上の木造建築には耐震性能や耐火性能、高コストなどの課題があった。

 同社では、「これまでに培ってきた木造建築技術を生かし、大型地震にも耐える安全性を実現した」という。安全性向上のため耐力壁の強化に取り組んだ。国で定められてた耐力壁の倍率は一般住宅では2.5倍、最上限で5倍だが、新築ビルは耐力壁を40倍にし、くぎを細かく打ち込むことで強度を上げているという

 宮沢社長は「安全な木造建築にするために、実験を何度も繰り返し改善してきた。構造を工夫したことで安全性を高め、普及が可能な技術になっている」と胸を張る。同社の純木造ビル建築は鉄筋コンクリートで造る 場合と比べてCO2の排出量を43%削減したほか、一般木造住宅の95棟分になる炭素貯蔵量があるという。

 同社は日本に木造の街並みを復興する「Re:Treeプロジェクト」を推進し、地域工務店やゼネコンにノウハウを提供する予定。宮沢社長は「木造建築技術を日本全国に広めていきたい。コストを削減し、将来的には坪100万円を目指す」と意気込む。「木造建築を増やし、環境問題解決に貢献していく」とも。

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