
「第22回人形のまち岩槻まちかど雛(ひな)めぐり」が、岩槻駅東口周辺商店街で開催された。
鈴木酒造酒蔵資料館(さいたま市岩槻区本町4)などでの特別展示を行ったほか、エリア内の56店でひな人形を展示したり、イベント限定メニューを提供したりした。ひな人形制作体験も行い、「見る」「食べる」「創る」のテーマでひな人形に親しむことができるようにした。
愛宕神社では、27段ある石段いっぱいにひな人形を並べた「大ひな段飾り」を週末限定で公開。イベントの運営に携わる田口正信さんは「神社での展示は、区民の方々がそれぞれの家庭で大切にしてきたひな人形を譲り受けて、7年前に始まった。大階段を岩槻で制作されたひな人形だけで飾っているのが誇り。昨年のひな祭り当日には7000人が見に来てくれた。今年も初日からにぎわいうれしい」と話す。
イベント初日の2月22日には、駅前のクレセントモールでオープニングイベントを開催。「やまぶき道灌(どうかん)太鼓」による和太鼓演奏や「J-JOY」ダンス教室の生徒によるキッズダンス、「いわつき舞雛」によるよさこい踊りなど、地元で活動するグループがパフォーマンスを披露した。式の最後には公募で選ばれた区内在住の小学生らがひな人形に扮(ふん)する「おひな様パレード」を行った。
娘がパレードに参加した岩槻区在住40代女性は「2度目の参加となった今回は、念願がかなって女びなに扮(ふん)することができ親子で喜んでいる。地元ならではのイベントで大役を任され、すてきな思い出になった。突然の雪が降り、寒い中でもしっかりと前を向いて頑張った娘を褒めてあげたい」と話していた。
岩槻人形博物館では現在、企画展「雛の名品おひなさまづくし」を開催している。時代や地域によって変化してきたひな人形や高級な素材で緻密(ちみつ)に作られたひな道具を、5500点以上の所蔵コレクションから選び、展示している。
同館文芸員の矢島璃子さんは「2月22日に5周年を迎えたのを記念して、展示は全て『名品』でそろえており、見どころ満載。最も古い様式である立ちびなをはじめ、目にガラスをはめ込んだ江戸製の古今びななど、江戸時代に誕生したさまざまな様式のひな人形を紹介している。当時の人々がどのような思いを込めてひな人形を大切にしていたのか感じていただけたら」と話す。
岩槻人形博物館の開館時間は9時~17時。月曜休館。入館料は、一般=300円、高校生・大学生・65歳以上=150円、小中学生=100。3月23日まで。