
「第5回SAITAMAなんとか映画祭」が9月26日~28日、レイボックホール(さいたま市大宮区大門町2)7階・小ホールで開催される。
2024年の映画祭 コンペティションでの審査の様子(画像提供=SAITAMAなんとか映画祭実行委員会)
「映画と食と音楽を軸に地域を盛り上げていきたい」と、地元住民らが中心となってコロナ禍の2021年3月に立ち上げ、大宮で開催してきた同映画祭。実行委員会会長の栗原俊明さんは「スタートした当初は企業に電話をしても『何の映画祭か』と何度も名前を聞き返されたが、最近では認知も広がり、ありがたい」と話す。
今回は招待作品も合わせ、全34作品を上映する。「ユーモア」をテーマに、新人監督を発掘する短編映画のコンペティション部門では9月27日に「3分以内」(19作品)、9月28日に「30分以内」(99作品)に分けて審査する。「60分以上」の部門では、9月27日に山崎立樹監督「優しいらしい。僕は、」を上映。今年は見沼区内に本社がある光学メーカー「タムロン」の協賛を得て、会場の7階ロビーに同部門の特設ブースを設ける。
同映画祭の特色は、応募作品が1年以内に製作された作品であること。「3分以内」部門は観客賞のみで、観客が審査する。観客の投票数を集計する間に監督全員が一言ずつあいさつし、作品の狙いや背景を話す。
「30分以内」部門では上映当日、全作品について審査員と監督が対話し、審査会議にかけて受賞作品を決める。「コンペティションのプロセスが見え、対話できるのが製作者にとって大きな刺激となる。観客にとっても映画を鑑賞するだけでなく、監督やキャストなど作り手の声や姿を楽しむことができる点が魅力」と栗原さん。
「30分以内」部門のコンペティションの審査員には、インディーズ映画に「造詣が深い」という俳優の津田寛治さんが務めるほか、現在劇場公開中の「海辺へ行く道」で2025年ベルリン国際映画祭ジェネレーション部門スペシャルメンションを受賞した横浜聡子監督、深谷シネマ名誉館長の竹石研二さんが務め、「映画を『演じる・創る・届ける』プロフェッショナルたちの多様な視点から審査する体制を整えた」という。同映画祭のスーパーバイザーには「SR サイタマノラッパー」「あんのこと」「室町無頼」の入江悠監督が就任する。
招待上映作品として、9月26日にはロックバンド「Pay money To my Pain」の歩みを描いた音楽映画「SUNRISE TO SUNSET」、翌27日には審査員の津田寛治さん主演の「山中静雄氏の尊厳死」を上映する。上映後のトークショーやサイン会、パンフレットの販売も予定している。
栗原さんは「先行きの不透明なこの時代だからこそ、背伸びせず、これだけあれば何とかなる、何とか暮らしていける、何とか目的地にたどり着くという思いを映画祭の名前に込めた。大きな目標は「『SAITAMA』を国際的な言葉にすること。若い才能が生まれ、発掘される場所となれれば」と意気込む。
ディレクターの福島亨さんは「新しい試みとして、埼玉県内の高校生が制作した作品を上映し、学生ボランティア(18歳以上)にも関わってもらうことで、会場で映画を鑑賞する機会を設けた」と話す。「ユーモアとバラエティーに富む作品をぜひ見に来てほしい」と呼びかける。
チケットは、前売り券=1,300円、当日券(現金支払いのみ)=1,500円。全席自由。埼玉県内の学校に在学の高校生以下は生徒手帳の提示で入場無料。小学生以下は保護者同伴。上映期間中、門街広場ではフードと音楽のイベントも同時開催する。