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さいたまの会席料理店店主がひな人形本刊行へ コレクションを絵解きで解説

「二木屋」オーナーの小林さん

「二木屋」オーナーの小林さん

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 会席料理店「二木屋」(中央区大戸4、TEL 048-825-4777)オーナーの小林玖仁男さんが2月、コレクションのひな人形を描いた一連の「はがき絵」を一冊の本にまとめ「おひな様の絵と話」を刊行した。

二木屋のひな人形コレクション(関連画像)

 元からあった古い日本家屋を活用し、1998年から営業している同店。母屋は1935(昭和10)年に建てられ、増築を経て今の形となり、日本国登録有形文化財に指定されている。

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 郷土玩具のコレクターで、全国各地から集めたコレクションを相当数所持しているという小林さんはこれまで、季節の伝統行事に合わせて客室を装飾し、来店客を楽しませてきた。

 中でもひな人形の数は一番多く、古い由緒あるものから、土産で買える気軽なものまで2000体以上所有しており、毎年ひな祭りの季節には1週間ほど一般公開もしている。今年は約2000人が来場したという。

 人形や生産者の歴史や背景に詳しく、ひな人形の解説者としてメディア出演経験もある小林さんは「古くからあり、これだけ国民に愛されている人形なのに、ひな人形のことを体系的にまとめた本はほとんどない。いつか書きたいと思っていた」と話す。

 小林さんは2014年に「間質性肺炎」で2年半~5年の余命宣告を受けたという。「宣告直後は落ち込み混乱したが、本や人に会い模索する中で、自分なりの『死生観』として2016年に書籍『あの世に逝く力』を出版した」と話す。

 「死ぬことについてとことん考えたので、段取りも整えてある。元気なうちに大好きな京都に住み、だんだん動くのがきつくなってきたら埼玉に戻り、『はがき絵』を描こうと決めていた」とも。昨年11月から地蔵をモチーフに仏画を描きため、絵に小林さんの言葉を添えたものをまとめ、今年1月に「お地蔵さんとことば」を出版した。

 その後、ひな人形のはがき絵と原稿を10日間で完成させ、今回の書籍出版にこぎ着けた。「おひなさまのコレクターとして、分類し、自分が描いた絵でまとめたかった。なんとか間に合ってよかった」と安堵(あんど)の表情を浮かべる。

 同店マネジャーの森田まり子さんは「絵も人形も書もすべて独学だが、センスと郷土玩具への愛が詰まった本になっている」と話す。

 価格は一冊1,000円。同店受付で販売している。