リリース発行企業:株式会社エス・エム・エス
株式会社エス・エム・エス(本社:東京都港区、代表取締役社長:後藤夏樹、東証プライム、以下「当社」)は、管理栄養士・栄養士向けコミュニティ「エイチエ」(URL:https://eichie.jp/)を提供しており、この度、全国の管理栄養士・栄養士1,990人を対象に、働き方についての実態を調査しました。
【主な調査結果】
1.管理栄養士の月給の最多は「21~25万円代(43.1%)」、栄養士は「16~20万円代(40.4%)」と差あり
賞与は管理栄養士・栄養士ともに年間51~60万円代が最多という結果となった。
2.管理栄養士・栄養士の66.6%が昇給ありと回答
前年同時期の調査結果(61.9%)と比較し、4.7%増加した。
3.管理栄養士・栄養士の65.7%が、残業時間が月平均10時間以下
前年同時期の調査結果(66.3%)とほぼ同様の結果となった。
4.勤務先の満足度については47.3%が満足と回答
前年同時期の調査結果(44.1%)と比較すると満足度が3.2%上昇した。
5.満足していることの上位は「休みがとりやすい(54.0%)」、「人間関係が良い(31.7%)」、「残業代がきちんと出る(30.2%)」
満足していないことの上位は「給料が安い(45.0%)」、「人手が足りなくて忙しすぎる(28.7%)」、「昇給が見込めない(26.0%)」となった。
6.管理栄養士・栄養士の7割が仕事にやりがいを感じている
やりがいを感じていることの上位は「患者・利用者から感謝される(50.0%)」「休みや勤務時間に満足している(41.1%)」「食に関する仕事に携わるのが楽しい(39.3%)」だった。
7.管理栄養士・栄養士本来の業務に集中できている人は41.9%
本来業務以外の業務は「電話番(33.0%)」、「利用者・患者・保護者などの窓口対応(22.7%)」、「施設内の清掃(栄養管理業務や調理に関係のない場所)(12.2%)」が上位。行うことでの懸念点は「本来の業務に集中できないので栄養管理がおろそかになる(52.4%)」が最多となった。
8.自身の体調管理のため、半数以上が肉と二枚貝の生食を避け、日常生活でもマスクを着用
睡眠時間の確保で体調管理を行う管理栄養士・栄養士も多数存在した。
9.管理栄養士・栄養士の42.9%が月1回のイベント食(行事食)を実施
次いで、月1回未満(18.0%)、月2回程度(16.0%)が上位となった。
10.イベント食の提供について予算の増額は51.7%がなしと回答
近年の物価高騰の中でも予算の増額はあまりないという結果となった。また、イベント食で難しいと思うことの上位は「食形態ごとに作ること(32.5%)」、「イベント食対応を行う人員の確保(30.6%)」「新たな献立作成に時間を要すること(27.3%)」となった。
11.2024年の災害をきっかけに約7割は備蓄への意識が変わり、半数が備蓄の見直しを行い、3割程度が備蓄を増加
備蓄の増加量は3日分が最多(34.4%)だった。
【コメント抜粋】
1.本来の業務に集中するために行っている工夫について
・カンファレンスに率先していく、管理栄養士しかできないこと、栄養管理、栄養指導を同僚に理解していただく、人事考課でアピールする(岡山県、病院勤務、30代)
・計算・集計はマクロ等を使い効率化する(新潟県、行政勤務、30代)
・他職種で出来ることは、そちらに依頼するようにしている(大阪府、介護施設勤務、50代)
・いつでも栄養指導に対応できるように資料や資材を使いやすい配置にしている(神奈川県、クリニック勤務、20代)
・現場スタッフの育成(愛知県、介護施設勤務、50代)
・調理師と栄養士の仕事の線引き(岡山県、病院勤務、40代)
・厨房業務の効率化を図っている段階。ニュークックチルの導入や作業工程の見直し、献立の簡略化などを行なっている(東京都、病院勤務、20代)
2.イベント食への意気込み
・施設での食事しか食べることができないので、行事食の時は非日常を味わってほしい(愛知県、介護施設勤務、30代)
・準備や当日は、それはもう大変ですが、利用者の喜ぶ顔が見られた時はやり甲斐を感じます。もしかすると利用者にとってコレが最後のイベント食になるかもしれないんだぞという気持ちで取り組んでいます(大阪府、介護施設勤務、40代)
・毎月ご当地グルメを取り入れていてアレルギー、宗教が大丈夫なものを探すのが大変!でもこどもたちが楽しみにしてくれているのでがんばれています!(大阪府、保育園勤務、30代)
・利用者様に喜ばれる企画にしたい。残食の少ない内容を考えたい。調理スタッフの活躍の場を広げたい(福岡県、障害福祉施設勤務、40代)
・ゼリー食の方にも季節を感じてもらえるよう、ちらし寿司風、巻き寿司風、そうめん風といった工夫を凝らしたイベント食を作成できるよう努めます!(奈良県、病院勤務、20代)
・目先を変えた食事提供は、入院生活に彩りを添えるであろう楽しみの1つだと思います。「美味しい」という言葉のほか、手作りの行事食カードを枕元やオーバーテーブルに飾って下さる患者さんもいらっしゃって、スタッフのやりがいに繋がっています(福島県、病院勤務、50代)
【総括】
調査の結果、管理栄養士の月収は21~25万円代、賞与は51~60万円代が最多となり、栄養士の月収は16~20万円代、賞与は16~20万円代が最多となりました。推定年収は管理栄養士が303~360万円、栄養士が212~260万円前後となります。今年度昇給をした人は前年よりも4.7%増加し、66.6%となりました。残業時間は65.7%が月平均10時間以下であり、前年同時期とほぼ同様の結果となっています。よって、勤務時間は大きく変わらない中で給与額がやや増額しており、物価高騰の影響を受けていると推測されます。勤務先には前年比3.2%増の47.3%が満足と回答しました。一定程度勤務環境が良好であることが伺える一方、満足していないことの上位は「給料が安い」、「人手が足りなくて忙しすぎる」、「昇給が見込めない」となりました。昇給している人は増えているものの、給与水準自体は高いと感じることができず、結果として昇給が見込めないと感じているようです。このような環境の中で、管理栄養士・栄養士の7割が仕事にやりがいを感じ、やりがいを感じることの最多は「患者・利用者から感謝される」でした。給与水準は期待に達しないものの、休みの取りやすさや残業時間の少なさ、患者・利用者からの感謝を感じること、良好な人間関係などに満足しながら勤務している様子が伺えます。
今回は、前回調査の満足していないことの上位が「人手が足りない」という結果から、本来業務に注力しづらい状況があるのではないかと考え、業務内容についても調査しました。その結果、本来の業務に集中できている人は約4割と低調で、本来業務以外の業務は「電話番」が最多となりました。保育補助や介護利用者の見守り、医師のアシスト、歯科助手といった専門的な業務から、金魚水槽の清掃や木の伐採など、本来の業務とかけ離れた業務を日常的に行っている栄養士も存在しました。事業所の業務を臨機応変に割り振られている実態が浮き彫りになりました。
体調管理については、半数以上が普段から肉と二枚貝の生食を避け、日常生活でもマスクを着用するなど対策を行っており、プロフェッショナルとしての意識が垣間見えました。また、患者・利用者の満足度を向上させるためにイベント食(行事食)を企画することも多いため、調査しました。半数以上が月1~2回程度のイベント食を企画しているものの、半数以上が予算の増額はなく、食形態ごとの調理、人員の確保、献立作成に苦戦していることがわかりました。恒常的に忙しく物価高騰もある中で、栄養管理以外の業務も行いながら、工夫を凝らしてイベント食を企画するなど、管理栄養士・栄養士の日常的な努力が見えてきます。
また、2024年は能登半島地震が発生したため、災害への意識についても調査しました。災害をきっかけに3人に2人は備蓄への意識が変わり、半数が備蓄の見直しを行い、3割程度が備蓄を増加、増加量の最多は3日程度でした。介護施設、病院、保育所など、社会生活を支える場所で働くことが多い管理栄養士・栄養士の災害への意識がより高くなったことは、地域の安全性につながると考えられます。
【調査概要】
・調査期間:2024年12月5日(木)~2024年12月11日(水)
・調査対象:全国の管理栄養士・栄養士1,990名
・調査方法:Webを使用したアンケート
【調査結果詳細】
1.管理栄養士の月給の最多は「21~25万円代(43.1%)」、栄養士は「16~20万円代(40.4%)」と差あり
Q.(正社員への調査)現在の勤務先の月収(額面)を教えてください。※残業代は含まずにご回答ください(n=1,675)
・管理栄養士(正社員)のみの集計(n=1,373)
・栄養士(正社員)のみの集計(n=302)
Q.(正社員への調査)過去1年分の賞与(年間の合計、額面)を教えてください(n=1,675)
賞与は管理栄養士・栄養士ともに年間51~60万円代が最多という結果となった。
・管理栄養士(正社員)のみの集計(n=1,373)
・栄養士(正社員)のみの集計(n=302)
2.管理栄養士・栄養士の66.6%が昇給ありと回答
Q.(前年度から今年度(2023年4月1日から2024年3月31日まで)にかけて転職していない人への調査)今年度(2024年4月1日以降)、昇給はありましたか? (n=1,622)
前年同時期の調査結果(61.9%)と比較し、4.7%増加した。
3.管理栄養士・栄養士の65.7%が、残業時間が月平均10時間以下
Q.月当たりの平均の残業時間は何時間程度ですか?(サービス残業を含む)(n=1,990)
前年同時期の調査結果(66.3%)とほぼ同様の結果となった。
4.勤務先の満足度については47.3%が満足と回答
Q. 現在の勤務先に満足していますか?(n=1,990)
前年同時期の調査結果(44.1%)と比較すると満足度が3.2%上昇した。
5.満足していることの上位は「休みがとりやすい(54.0%)」、「人間関係が良い(31.7%)」、「残業代がきちんと出る(30.2%)」
Q.現在の職場や働き方について満足している点を教えてください。(複数選択可)(n=1,990)
Q.現在の勤務先に満足していないことは何ですか?(複数選択可)(n=1,990)
満足していないことの上位は「給料が安い(45.0%)」、「人手が足りなくて忙しすぎる(28.7%)」、「昇給が見込めない(26.0%)」となった。
6.管理栄養士・栄養士の7割が仕事にやりがいを感じている
Q.現在の仕事にやりがいを感じていますか?(n=1,990)
Q.(やりがいを感じているという人への調査)どのようなところにやりがいを感じますか?(複数選択可)(n=1,383)
やりがいを感じていることの上位は「患者・利用者から感謝される(50.0%)」「休みや勤務時間に満足している(41.1%)」「食に関する仕事に携わるのが楽しい(39.3%)」だった。
7.管理栄養士・栄養士本来の業務に集中できている人は41.9%
Q.現在の職場では本来の管理栄養士・栄養士としての業務に集中できていると思いますか?(n=1,990)
Q.現在、管理栄養士・栄養士としての業務以外でほぼ毎日行っていることがあれば教えてください。(複数選択可)(n=1,990)
本来業務以外の業務は「電話番(33.0%)」、「利用者・患者・保護者などの窓口対応(22.7%)」、「施設内の清掃(栄養管理業務や調理に関係のない場所)(12.2%)」が上位。
Q.管理栄養士・栄養士としての業務以外を行うことで懸念することがあれば教えてください。(複数選択可)(n=1,990)
行うことでの懸念点は「本来の業務に集中できないので栄養管理がおろそかになる(52.4%)」が最多となった。
8.自身の体調管理のため、半数以上が肉と二枚貝の生食を避け、日常生活でもマスクを着用
Q.自身の体調管理のために行っていることはありますか?(複数選択可)(n=1,990)
睡眠時間の確保で体調管理を行う管理栄養士・栄養士も多数存在した。
9.管理栄養士・栄養士の42.9%が月1回のイベント食(行事食)を実施
Q.イベント食を実施する頻度を教えてください。(1ヶ月の平均)(n=1,990)
次いで、月1回未満(18.0%)、月2回程度(16.0%)が上位となった。
10.イベント食の提供について予算の増額は51.7%が「なし」と回答
Q.(イベント食があると回答した人への質問)イベント食の企画時は予算の増額はありますか?(n=1,675)
近年の物価高騰の中でも予算の増額はあまりないという結果となった。
Q.(イベント食があると回答した人への質問)イベント食で難しい点を教えてください。(複数選択可)(n=1,675)
イベント食で難しいと思うことの上位は「食形態ごとに作ること(32.5%)」、「イベント食対応を行う人員の確保(30.6%)」「新たな献立作成に時間を要すること(27.3%)」となった。
11.2024年の災害をきっかけに約7割は備蓄への意識が変わり、半数が備蓄の見直しを行い、3割程度が備蓄を増加
Q.2024年は地震災害や豪雨災害などが頻発しましたが、備蓄に関しての意識に変化はありましたか?(n=1,990)
Q.2024年の災害を受け、備蓄の見直しを行いましたか?(n=1,990)
Q.2024年の災害を受け、ライフラインが途絶えたことを前提とした場合の備蓄品(食料、飲料水)の量は変化しましたか?(n=1,990)
Q.(備蓄品を増やした人への質問)2024年の災害を受け、ライフラインが途絶えたことを前提とした場合の備蓄品(食料、飲料水)の量はどれくらい増やしましたか?(n=550)
備蓄の増加量は3日分が最多(34.4%)だった。
≪過去の調査結果はこちら≫
1.管理栄養士・栄養士1,922人への働き方実態調査
6割超が定期昇給するも半数以上は3,000円以下、診療・介護報酬改定の影響は低調。給食予算は4割超が不満と回答。円安や物価高騰により業務難度の上昇を示唆(2024年10月17日公開)
https://www.bm-sms.co.jp/news-press/prs_20241017_eichie_research/
2.管理栄養士・栄養士2,129人に聞いた働き方の実態調査
7割が仕事にやりがいを感じ、3人に2人が残業10時間未満、有給8割以上消化も4割。三大不満は「給料が安い・人手不足・昇給が見込めない」で将来性に不安(2024年2月1日公開)
https://www.bm-sms.co.jp/news-press/prs_20240201_eichie_research/
3.管理栄養士・栄養士580人に聞いた物価高騰による施設等の給食への影響調査
約7割が物価高騰の影響によるメニュー開発や献立についての悩みあり。「たんぱく質」摂取に苦労、たまごや魚の値上がりを受けメニューを工夫(2023年9月12日公開)
https://www.bm-sms.co.jp/news-press/prs_20230912_eichie_research/
【「エイチエ」について】
管理栄養士・栄養士向けコミュニティ。献立を投稿・閲覧し、コメントができる献立レポ、栄養士業務に特化したQ&A、求人情報や働き方などのコンテンツを提供。管理栄養士・栄養士を多方面からサポートしています。
URL:https://eichie.jp/
【株式会社エス・エム・エスについて】
2003年創業、2011年東証一部上場、2022年4月より東証の市場区分変更によりプライム市場へ移行。「高齢社会に適した情報インフラを構築することで人々の生活の質を向上し、社会に貢献し続ける」ことをミッションに掲げ、「高齢社会×情報」を切り口にした40以上のサービスを開発・運営しています。
名称:株式会社エス・エム・エス
所在地:東京都港区芝公園2-11-1住友不動産芝公園タワー
代表者:代表取締役社長 後藤夏樹
会社設立:2003年4月
資本金:25億5,172万円(2024年3月31日現在)
従業員数:連結4,188人、単体2,754人(2024年3月31日現在)
事業内容:高齢社会に求められる領域を、医療・介護/障害福祉・ヘルスケア・シニアライフと捉え、価値提供先であるエンドユーザ・従事者・事業者をつなぐプラットフォームとしての情報インフラを構築し、40以上のサービスを展開
URL:https://www.bm-sms.co.jp/