JR東日本大宮総合車両センターで復元工事中の蒸気機関車「C58」のボイラーが、大阪の専門業者による復元を終え、9月9日早朝に大宮に帰還した。
同車両は、JR東日本が東北地方の復興を応援する「SL銀河鉄道(仮称)」のために、盛岡市の岩手県営運動公園内の交通公園に展示保存されていたものを昨年末に同センターに移送、復元工事が進められている。
車両は、ボイラーと運転台、テンダー(炭水車)、台枠と車輪などに分割され、それぞれ職人の手作業によって復元が進められている。このうち、ボイラーについては、1月31日に全国で唯一蒸気機関車のボイラーを修理できる大阪のボイラー専門会社に移送され、分解・復元が行われていた。ボイラーの復元は「想定よりも腐食が進んでいたことや、設計図とは違う部品が使われていたことなどから、予定よりも時間がかかった」という。
一部を新品に交換したボイラーは、大型トレーラーに載せられて6日に大阪を出発、4日間をかけて9日早朝に大宮総合車両センターに到着した。トレーラーは、係員に誘導されながらゆっくりと場内へと移動した。同車両は、今冬の運行開始を目指して、引き続き同センターで復元が進められる。