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大宮のコーヒー店と茶農家が未利用資源の堆肥化実験 循環型社会目指す

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 コーヒースタンド「Fucuramu Coffee Roastery(フクラム コーヒー ロースタリー)」(さいたま市大宮区大門町3)が現在、6代続く茨城県境町の茶農家「石山製茶工場」と共にコーヒー殻・茶殻を堆肥肥料にする堆肥化実証実験を実施している。

バケツいっぱいの「シルバースキン」 コーヒー豆の焙煎時に排出されるコーヒー豆の薄皮

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 コーヒーやお茶を提供する同店で出る未利用資源(コーヒー殻とシルバースキン、茶殻)を堆肥化し、それを自社で栽培から製造販売まで一貫して行う「石山製茶工場」の茶葉の生育に使用。その茶葉を同店が買い取り、店で提供する循環を作る試み。同店は未利用資源のリデュースとリサイクルに、同工場は有機肥料の推進が可能となる。持続可能な社会を目指す SDGs17 の目標の「12 つくる責任つかう責任」を果たす、環境にやさしい取り組みを行うことを目的としている。

 店主の五島和樹さんは、以前よりこの取り組みを検討していたという。「コーヒーの残渣物を堆肥に利用できる可能性は知っていたが、保管が大変なことや手間がかかることはもちろん、未利用資源を買い取る負担があることに共感してもらえるか不安だった。メールやSNSではなく、直接会って丁寧に説明することが必要だと感じ、なかなか進められなかった。石山製茶工場が共感してくれたことで、この取り組みを始めることができた」と話す。7月中旬に同園に届けたコーヒー殻などをコンポストに入れて攪拌(かくはん)し、現在は発酵している状態だという。

 同店は7月27日に大宮公園 「埼玉百年の森」で開催される「夏休みSDGs探究イベント」に出店し、堆肥途中の工程などを展示する。五島さんは「イベントに足を運び実物を見ていただき、大量のごみも有効活用できることを知ってほしい。2週間熟成させたものを持っていくので、理解につなげられたら」と話す。秋には堆肥肥料を試験使用する予定。

 今後について、五島さんは「ただ売るということだけでなく、お客さまにも共感してもらい、より一層のおいしさを提供したい。コーヒー殻や茶殻の扱いに困っている店にも有効活用してもらえるようノウハウを構築し、環境負荷の軽減につなげていきたい。今後は地域も巻き込んでいければ」と意気込む。

 コーヒースタンドの営業は月曜・火曜の8時30分~17時、日曜の9時30分~17時。

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