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大宮駅西口で夏祭り みこしの「さしあい」壮観に

各みこしによる大迫力の「さしあい」

各みこしによる大迫力の「さしあい」

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 地域のみこし渡御(とぎょ)もある「西口夏まつり」が7月31日、大宮駅西口で行われた。

JACK大宮ビル前から連なるように5基のみこしが練り歩いた

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 武蔵一宮氷川神社の例大祭に合わせて、大宮駅西口周辺では毎年7月31日と8月1日の2日間にわたり夏祭りを行い、みこしが町内を練り歩く。17時に「西口夏まつり」が始まり、各町会から集まった5基の「御輿(みこし)渡御」とよさこい踊りが道行く人たちの目を楽しませた。

 「西口夏まつり」の開始に合わせて各所の神酒所を出発した5基のみこしは、19時ごろにJACK大宮ビル前に集まり、掛け声を競うようにビル街を練り歩いた。よさこい踊りが熱気を盛り上げる中、鐘塚公園前の交差点で各みこしによる「さしあい」が行われると、祭りは最高潮に達した。

 8月1日17時からは、今回で37回目となる「スパークカーニバル」を開催。8基のみこしによる「御輿揃(そろ)い渡御」に、サンバパレード、万灯・纏(まとい)パレード、ステージイベントなどが加わり、祭りムードが一層盛り上がる。

 威勢のいい掛け声と共にみこしが通り過ぎると、沿道の見物人からは「かっこいい」「僕も担ぎたい」と感想が漏れた。「西口夏まつりは初めて」という30代の2人連れは上尾市から見物に訪れた。

 桜木町2丁目在住の姉妹は「コロナ禍で数年間中止になり、昨年から再開された。大勢でみこしを担ぐ掛け声や笛の音が家のほうに近づいてくると今年も夏が来たなと感じる」と話した。

 駅西口の再開発により次々と建てられる新しいビルの足元では、各町会の夏祭りの伝統が脈々と受け継がれている。各町会は7月31日正午ごろから、神酒所(みきしょ)開きや修祓(しゅうばつ)式を行い、それぞれに町内の祭りを祝った。

 自宅の一部を桜木2丁目第3区の神酒所として開放しているのは、同区内で約60年にわたり襖(ふすま)店を営む立木貞夫さん。「大栄橋(たいえいばし)が全面開通する1961(昭和36)年ごろまでは、線路を越えて氷川神社までみこしを担いで行った覚えがある」と話す。立木さんによると当時の町会は現在よりも細かい区分に分かれており、それぞれがみこしを所有していた。山車(だし)を所有している町会もあったという。「みこしや山車が当時の桜木小学校(=現在のソニックシティビルの場所)の校庭に集結し華やかさを競い合う様子には、子ども心ながらも圧倒された」と振り返る。

 2丁目第3区の祭りが現在の形式になったのは50数年ほど前のこと。桜盛会商店街の青年会が中心となって寄付を募り、みこしを新しく作り替え、10年ほど中断していたみこし渡御を復活させた。「この数十年で町内の様相は大きく変わった。新しく建設されたマンションに越してきた若者や子どもたちも、どんどん祭りに参加してほしい」と立木さん。

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