
「第3回埼玉ニュービジネス大賞」表彰式が5月20日、ステラ・デル・アンジェロ(さいたま市中央区上落合2)で行われた。
同コンテストは今年で3回目。埼玉の地域経済の発展と起業家の育成を目的として、コンテストを通じて成長を目指す人や企業を表彰し、埼玉における起業家マインドを活発化する取り組みとして一般社団法人埼玉ニュービジネス協議会が創設した。応募対象は埼玉県内で事業を営む中小企業または埼玉県内で起業を目指す個人で、独創性や新規性に富むビジネスプランを持っている人とし、今回は27件の応募があった。
大賞を受賞したのは、個包装の紙おしぼりとして「世界初」の完全生分解おしぼり「eco+P(エコプラスピー)」を開発したマキ商会(志木市)の酒巻剛さん。フィルムもおしぼりも土壌の微生物の働きによって分解される構造で、環境に配慮した商品であることが高く評価された。優秀賞は「正油粕(しょうゆかす)アップサイクル燻製(くんせい)材」を開発した「Smoke-i-freet(スモークイフリート)」(さいたま市北区)の辻健太朗さん、アイデア賞はゲーム感覚でプログラミングの考え方を学習できる「ネオアカデミア」を開発した「COCOCONNECT(コココネクト)」(川口市)の竹内瑞樹さんが、それぞれ受賞した。受賞者には表彰状とトロフィーのほか、会員による支援体制と特別会員権1年分を贈呈。来賓の大野元裕埼玉県知事と埼玉県産業振興公社の秋友一広理事長が祝辞を述べた。
酒巻さんは「コロナ禍、飲食店の営業が大きく落ち込み、衛生面の懸念からも布おしぼりの売り上げが大幅に減ったことをきっかけに、紙おしぼりの販売に力を入れるようになった。15年以上前から砂漠緑地化支援に取り組んでおり、環境に良い製品を作りたいという思いもあった」と振り返る。「受賞した『eco+P』含む『eco+』シリーズは『生分解性が当たり前』になるよう、環境と真剣に向き合ったプロダクト。私たちは、この『おしぼり革命』を、ここ埼玉から全国へ、そして世界へと広げていく」と意気込む。
同協議会の久礼亮一会長は「今年もまた、自らの思いを形にしようと一歩を踏み出す起業家たちに出会うことができた。今回は、実践的な支援を届ける取り組みとして、メンター制度のさらなる充実にも取り組んだ。地域で育まれた小さな挑戦が、やがて社会を動かす力となる。そんな期待を胸に、当協議会は今後も埼玉から次代を担う人や企業を支えていく」と話す。
第4回の応募期間は10月1日~11月30日。特設サイトで応募を受け付ける。