子ども大学SAITAMAのカリキュラムの一環で12月21日、埼玉大学(さいたま市桜区下大久保)で子ども向けプログラミング教室が開かれた。
子ども大学は、小学生4~6年生を対象として知的好奇心を刺激する学びの機会を提供するために埼玉県ほぼ全域と一部他県の市町村区で実施されている取り組み。子ども大学SAITAMAは埼玉県さいたま市地域での取り組みで、埼玉県教育委員会やさいたま市教育委員会が後援している。
実行委員長の野原健志さんは「子どもの生活にとって地域の果たす役割は家庭や学校に次いで大きい。しかし、人口の増加による都市化の進行や住宅の高層化などにより、地域との関わりが希薄になり人と人とのつながりも空疎になった。子ども大学SAITAMAは大学や各種学校、民間機関、地域が協力して、子どもたちが地域を知り、関心を持ち、愛着を持ってもらうための活動。小学校の授業とは別の切り口や視点、知識だけでなく五感を使って意識を高められるような内容を提供したい。地域の安全や活性化にもつながり、子どもの新しい価値観や目線を育てるきっかけになれば」と話す。
ボランティアで運営されており、埼玉大学や芝浦工業大学、埼玉ベルエポック製菓調理専門学校が会場となっている。初年度の今年は全5回の講義を予定しており、英語やプログラミングや料理教室や養蚕業の講義を予定する。
当日、プログラミングの講義を担当したIT関連企業社長で、小中学生向けプログラミング教室「CoderDojoさいたま」の副代表も務める星野邦敏さんは「Scratchという子ども向けプログラミングツールを使って、ネズミが猫から逃げるゲームプログラムを子どもたちが自分で作る講義とワークショップを2時間で行ったが、子どもの集中力の高さに驚いた。プログラミングは義務教育では学ばないが、小さいころからプログラミングを学んで自分でウェブサービスやアプリを作り若くして起業したり仕事にしたりする人も多くいる。職業にしないまでもプログラミングの発想は自動化できる部分は自動化して本来行うべきことに集中することを学んだり、自動化の具体的なプログラミング方法を学んだり、得られることが多いと思う。パソコンやプログラムに触る一つのきっかけになれば」と話す。
今年の子ども大学SAITAMAは既に定員となっているが、来年もさいたま市内の小学校に通う小学4~6年生を対象に実施を予定する。