武蔵一宮氷川神社で12月10日、年の瀬の風物詩である「十日市」(とおかまち)が開かれ、境内の熊手を販売する露店では商売繁盛を願い熊手を購入した客へ、威勢のよい手締めの声と拍手の音が響き渡った。
十日市は、同社のもっとも著名な神事である「大湯祭」(だいとうさい)に併せて行われるもので、参道を中心に長さ1キロ以上にわたって約2000店の露店がびっしりと立ち並ぶ、大宮の冬の風物詩だ。
さまざまな種類の露店が並ぶ中、ひときわ人だかりができていたのが、生きたコイをその場でさばいて売る店。購入した男性は「十日市に来ると毎年、コイを購入してこいこくにするのが楽しみ。以前は同じような店舗が数軒あったが、今ではこの1軒だけになってしまい、寂しい。店主には、来年もぜひ頑張ってと声を掛けた」と話した。
今年の様子について、「夜から降雨の予報だったため、例年よりも出足が早く、夕方には大勢の来場者があった」と神社の担当者。来場者は天気を気にしつつ、足早に熊手を持ち帰る人が多く見られた。