新開橋バス停近くの壺焼き芋店「焼きいも つぼみ」(さいたま市北区日進町1)は10月25日で開店4周年を迎えた。
「焼きいも つぼみ」店主の菅本美穂さんと夫の嘉彦さん
店主は菅本美穂さん。8年ほど前、空き家になっていた実家に夫の嘉彦さんと引っ越してきた。開店のきっかけは「ストーブで焼いたサツマイモ」だったという。
「長い間専業主婦で、そろそろパートにでも出ようかと考え始めていた頃だった。自分で焼いたお芋があまりにおいしくて、ふと『自宅の一角で焼き芋屋ができるのでは』と思い立ち、焼き芋の種類や開業の仕方などを調べ始めた」と振り返る。
「焼きいも つぼみ」外観
焼き芋やサツマイモについて一通り学び、「壺焼き芋」専門店にすると決めて食品衛生責任者の資格も取得。だが、焼き芋用の壺は在庫切れで、3カ月待ちの状態だったという。「それなら自分で作ろうと思った」と菅本さん。
「大きなテラコッタの植木鉢2つを上下に合わせ、内側にはステンレス製の雑貨をつなぎ合わせて取り付けた。温度計の取り付け穴は、亡き父の友人に電動工具で開けてもらった。自作の壺は上下を分けて手入れができ、その後購入した市販の焼き壺よりも使いやすく、おいしく焼ける」と話す。
店主手作りの焼き芋壺
使用するサツマイモは、ねっとりとした食感と甘さが特徴の「紅はるか」が中心。時期によって「おいしい産地」が変わるため、仕入れ先もその都度変えている。営業日当日に炭火で約1時間半~2時間かけて焼くため、製造数には限りがある。
価格は、大サイズ(生芋時301~400グラム)=400円、中サイズ(201~300グラム)=300円、小サイズ(131~200グラム)=200円、極小サイズ(90~130グラム)=100円。「冷凍焼き芋」は1,200円分の焼き芋を詰めた1パックを1,000円で販売する。
1時間半以上かけてじっくり焼き上げたお芋
菅本さんは「お客さまが来るたびに、ショートドラマを見ているようで楽しい。小さいお子さんや女子高生、お年寄りなど、普通に生活していたら出会わなかった人たちと関われることがうれしい」と話す。
「開店当初に小学生だった子が高校生になっていたり、学生が『テストが終わった自分へのご褒美に』と買いに来てくれたりする。いつかベンチを置いたり、近隣で育てたサツマイモを店で出せたりしたらうれしい。これからも地域の方に喜ばれる店でありたい」と話す。
店主手描きの店舗チラシ
営業時間は12時~18時。定休日は月曜・水曜・金曜。

販売スペースに「本日のお芋」の掲示も
焼き芋つぼみ(ホームページ)
埼玉県さいたま市北区日進町1-483-22