宇宙飛行士・若田光一さんの母校・大宮別所小学校で5月24日、元JAXA職員の講演会と、ロケットや宇宙服、月面探査車、小惑星探査機はやぶさのレプリカなどを展示する「宇宙教室」が開かれた。
日本グッドイヤー(東京都港区)がJAXAの展示協力の下、CSR事業の一環として昨年から行っている同教室。これまで、東日本大震災の被災地や、はやぶさの生みの親である川口淳一郎さんの出身地である青森県など全国8カ所で開催してきた。今回は、11月に再び宇宙へ飛び立つ予定の若田光一さんの母校である同校での開催となり、5~6年生児童約250人が参加した。
講演会では、元JAXA宇宙教育推進室長で日本宇宙フォーラム・主任調査員の渡辺勝巳さんが、国際宇宙ステーションと宇宙飛行士の機能や役割について、スライドや映像、クイズを交えて説明した。宇宙に飛び立つ前の若田さんに宇宙に行くことについて不安がないか聞いたところ、「ミッション。つまり、これは私の使命だから」と答えたエピソードなども紹介した。
質問コーナーでは、「宇宙では楽器を弾くことはできる?」「宇宙で急病になったらどうする?」などの質問が飛び出し、「大抵の楽器は演奏できるが、ピアノの鍵盤のように重力を必要とするものは弾けない」「宇宙飛行士は応急手当の訓練をしているほか、地上からお医者さんが常に体調をチェックしているが、それでも治せない場合は地球に帰還する」と、それぞれ答えた。
展示コーナーでは、NASAが開発中の月面探査車の模型と同社が開発した探査車用の「スプリングタイヤ」のレプリカ、H-IIA・H-IIBロケットや小惑星探査機はやぶさ、国際宇宙ステーションのきぼうモジュール、スペースシャトルなどの模型のほか、ロシアとアメリカの宇宙服のレプリカなどを展示。展示品の前で子どもたちが目を輝かせて熱心に説明を聞いていた。