芝浦工業大学の大宮キャンパス(見沼区深作)2号館で6月30日、「子ども大学SAITAMA」2018年度入学式が行われた。
子どもたちと交流する講師のお笑いコンビあさりど堀口文宏さん(関連画像)
子どもたちの知的好奇心を刺激して、自ら考え行動できる子どもになれるような場の提供を目指す子ども大学。2002年にドイツのチュービンゲン大学で始まり、2009年3月には、日本で初めて「子ども大学かわごえ」が誕生し、埼玉県内で50校以上が開校している。
子ども大学SAITAMAは2014年から始まり今年で5回目となる。参加者はさいたま市近郊に在住の小学4年生~6年生が対象。今年は1学年40人、合計120人が参加した。
岩槻区から参加した小学校6年生の庭田恵佑さんの保護者、まゆみさんは「コンピューターやテレビ番組といった授業に興味を持って応募した。いつも子どもが見ているものを、子ども自身の手で作ることによる成長を期待しているし、小学校最後の思い出づくりにもなれば」と話す。
入学式では副実行委員長の飯塚洋一さんの開式の言葉から始まり、実行委員長の植竹博義さんによる代表式辞、入学許可宣言が行われた。入学式の後半は子ども大学卒業生による歓迎の言葉が話された。
入学式後は子どもたち同士が仲良くなることを目的として2017年から始めたアイスブレークが行われ、4~6人で1グループでの自己紹介や、「健康」や「友人」といった人生において大切なものに対して価格を付け、グループ内でディスカッションして発表するというというユニークな取り組みも行われた。
5年生のアイスブレーク講師を担当した坂戸市出身でお笑いコンビ「あさりど」の堀口文宏さんは「こうした授業は初めてだったのでワクワクしながらやってきた。授業は最初の予想通りにいかなかったが、子どもたちがアドリブを出してくれてその流れに乗せて授業をすることができた。子どもたちに感謝している」と話す。
アイスブレークの間に、協働学習をテーマに保護者向けの講座が淑徳大学杉原麻美准教授により行われた。杉原准教授は「他人との違いを楽しみ、好きという気持ちから学びを深める環境こそが、子どもの潜在的な学習意欲を呼び起こす」と説いた。90分の講座は家庭で協働学習を取り組めるテクニックも盛り込んだ実践的な内容だった。
同大学を立ち上げ、今年は相談役として参加している野原健志さんは「将来的には子ども大学卒業生が企画を出し、子どもによる子どものための大学を目指す。地元の街を盛り上げていきたい」と今後の展望を話す。
入学式後は「おかし作り」や「測量実習」「AI・VR体験」「テレビ番組作り」など多義にわたる授業を各学年8回、12月22日まで行われる。