さいたま市のIT企業「コミュニティコム」社長の星野邦敏さんが、5年間のひきこもりから起業し、30人を超えるスタッフを雇用する社長になった経験を話すセミナーが8月22日、さいたま市立中央図書館(浦和区東高砂町コムナーレ8階)で開催される。主催は、さいたま市産業創造財団。
同セミナーは2018年6月から翌年3月まで開催の「好きなことで生きていく」シリーズとして、「女性創業者」「若年創業者」「創業無関心層」に向けてセミナーを毎月1回開いている。
同財団の長尾貴代さんは「会社員などの本業があるが起業に興味がある方、『好きなことで生活していきたいが、起業は実際どうなのか。生活していけるのか』『家族の理解は得られるのか』などの疑問をお持ちの方を対象に、一歩踏み出してみる勇気を持っていただけるきっかけになればと思い企画した」と話す。
星野さんはさいたま市出身で、中央大学法学部法律学科を卒業後は約5年間無職でひきこもり生活を送る。ひきこもり時代に趣味で始めたホームページ作りがきっかけとなり、税理士法人で働きながら2006年に副業として個人事業主に。2008年1月に専業となり法人化してコミュニティコムを設立した。
現在は、ウェブ制作・インターネット広告事業をはじめ、「コワーキングスペース7F」「シェアオフィス6F」「貸会議室6F」の運営、貸し会議室の送客運営代行事業、「大宮経済新聞」の編集長など、活動の幅を広げている。
星野さんは「何となく就活をせずそのまま5年間のひきこもり生活をし、ある時、このままではまずいと危機感を感じ、そこから巻き返しを始めたが、ものすごい努力とパワーを必要としたし、泥水を飲むような思いもたくさんした。今でこそ、日々人と食事をしたり農業をしたり楽しそうな人に見えるかもしれないが、実は死に物狂いで努力した結果。ひきこもりから脱出は簡単ではないかもしれないが、何もしなければ一生変わらない。私の話が危機感を持つきっかけになれば」と呼び掛ける。
長尾さんは「もう一度新しい世界に向けて挑戦したいと思っている方、起業に限らず転職でも再就職でも今の状況を変えたいと思っている方に来ていただきたい。現在、さいたま市を代表する若きIT社長の星野さんがどんな状況からスタートしたのか、今どんな思いを抱いているのかを聞いていただき、そのことが少しでも勇気や希望につながれば」と話す。
開催時間は18時30分~20時30分。申し込みは、ファクス、電話、メールのほか当日会場でも受け付ける。