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南与野にスターバックス 「工房集」の障がいのある作家のアートが壁彩る

「工房集」の作品と、アーティストのみなさん

「工房集」の作品と、アーティストのみなさん

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 スターバックスコーヒーさいたま南与野店(さいたま市中央区鈴谷5、TEL 048-840-0151)が7月7日、埼大通り沿いにオープンした。

ゆっくり抽出する「スターバックス ナイトロ コールドブリュー コーヒー」

 同店は、「誰も排除しない『まぜこぜの社会』の心地よさをアートや音楽で発信」する一般社団法人Get in touch(ゲットインタッチ)の協力により、スターバックス コーヒー ジャパンが地域の障がいのあるアーティストと一緒に店のアートワークを行う10番目の実施店舗で、埼玉県内では初となる。

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 同店では壁に、社会福祉法人みぬま福祉会のプロジェクト「工房集」のアーティスト6人が同店のために制作した作品11点を展示。作品にはコーヒーの産地や抽出器具などスターバックスにちなんだモチーフが描かれ、色使いもコーヒーをイメージしたものになっている。

 作品制作はオープンの約3カ月前から始まり、まずアーティストたちとスターバックスの求めるイメージを共有しあった。制作過程では同店スタッフもアーティストの元を訪問し、完成時にはアーティスト自身が作品に込めた思いを同店スタッフへ伝える交流会が行われた。

 同店ストアマネジャーの鈴木ちえ子さんは「直接アーティストのお話を聞き、『こんなに思いを込めて描いてくださったんだ』と涙が出そうになるくらい感動した」と話す。「オープン後は、アーティストがお店に来てくれることもある。障がいのある方も気軽に行ける場所だと感じてもらえていることがうれしい」とも。

 11点の中で最も大型の作品「コーヒーの国へ飛行機で」の作者・渡邉あやさんは「この大きさの作品を作るためにいつもは半年かけるが、今回は1カ月ちょっとの期間だったので、プレッシャーを感じながら家に持ち帰って残業した。制作依頼が来た時はうまく描けるか不安だったが、『飾られたい』という気持ちが強く、私も頑張り、みんなも頑張った」と振り返る。

 「ライオン」を描いた西川泰弘さんは「仲間の作品を見て、自分の作品はどうしようか、自分なりに考えて描いた。今まで人間関係で迷惑をかけ、まわりを困らせていた自分が、企業の依頼を受けて描けたことは感無量。自分の好きなことで人を喜ばせることができ、自分自身の喜びであり成長だと感じる」と語る。

 前田貴さんの作品「コーヒードリッパー1」「ドリップ式コーヒーメーカー」は、見たものを直接描くのではなく、分解して再構築しているのが特徴。依頼に応えるために、普段は描かないモチーフにチャレンジしたという。「初めは期待に応えられるか不安だったが、だんだん思うように描けるようになってうれしく思った。飾られてうれしい」と笑顔を見せる。

 「パプアニューギニアの人」など3作品を描いた白田直紀さんは「赤などの好きな色を使わず、コーヒー系の色を使って描いた。みぬま福祉会は職員の方も優しく、僕たちの活躍ぶりを見ていてくれる。充実しているし、いい作品ができた」とうれしそうに話す。

 工房集スタッフの小和田直幸さんが「自分の好きなものでないと描いてくれない」と紹介する大倉史子さんの作品は、紙いっぱいにケーキの絵が描かれた「チョコレート生クリームケーキ」。尾崎翔悟さんの「ジャズBIGBANDウェルカムコーヒー」には、ジャズの流れるライブハウスやカフェで提供されるコーヒーなどが描かれている。

 同店は71坪の店内に61席を配置し、広い通路で車いすやベビーカーでも通りやすい造りとなっている。縁側をイメージしたテラス席もあり、夜にはライトアップされた庭の植物を楽しめる。おすすめのメニューは埼玉県内で6店舗のみが扱う「スターバックス ナイトロ コールドブリュー コーヒー」(ショート=518円、トール=561円)。水出しコーヒーに窒素ガスを加えゆっくり抽出することで、クリーミーな味わいになるという。

 鈴木さんは「近隣のシニア層の方など、スターバックスをあまり利用したことがない方にも来ていただきたい。比較的すいている午前中の時間がお勧め」と呼び掛ける。

 営業時間は7時~22時。