マルシェと露店を楽しむイベント「夏のちゃのまつり」が8月19日、さいたま市北区の「喫茶と美容室 茶の間」(さいたま市北区奈良町、TEL 048-788-3954)で開催された。
喫茶と美容室を併設し、医療福祉の専門スタッフが介護相談にも対応している同店。イベントでは、さいたま市内からの出店者によるフードや雑貨販売のマルシェ、よもぎ蒸しや親子教室の体験会に加え、焼きそば、かき氷、チョコバナナといった夏祭りをイメージしたメニューの販売と、駄菓子釣り、輪投げなどの露店を展開した。日頃から同店に通うシニア世代や、近隣の親子連れなどでにぎわった。
企画の中心となったのは、店に立ち上げ当初から関わっている喫茶部門の女性スタッフたち。そのうちの一人、安藤佳織さんは「地域の方に楽しんでもらうため、ただマルシェを開くだけでなく、夏祭りと掛け合わせてフランクな雰囲気にしようと考えた。今まではシニア世代が安心できるお店であることを打ち出していたが、そのためにかえって他の世代には『私も行っていいお店なのかな?』と戸惑いがあるという声も聞いた。子どもが楽しめる露店も用意したので、世代を超えて誰でも気軽に入れるお店であることを知っていただけたら」と期待する。
店のコンセプトは「地域がつながり、想いがつながる憩いの場」。イベントの出店者も、店の客やスタッフの友人、今までの出店者から紹介された人など、同店とつながりのある人ばかりだという。
生花の販売とハーバリウム作りのワークショップで出店した「faery rosa(フェアリーローザ)」の中嶋洋子さんは、平日はケアマネジャーとして働いていることから、福祉に力を入れる同店と縁があり、初回からマルシェに参加している。シフォンケーキやスコーンを販売する「パン&おやつ工房 粉ろん」は、もともと同店に客として通っていたことが縁で今回初出店。「このお店は座敷席があり、ベビーベッドでおむつも替えられるので、子連れでも来店しやすい。子連れでランチをしたり、ベビーマッサージ講座のイベントに出たりしているうちに、スタッフと話して出店が決まった」とほほ笑む。
安藤さんは「イベント出店のために初めて来た人は一人もおらず、以前からこのお店を気に入って出店を決めてくれた方ばかり。出店者と主催者との間に壁を作らず、一緒にイベントを作りたい」と話す。
地域の人に向けた取り組みも実施しており、8月からは「茶の間図書館」として書籍の貸し出しを始めたほか、毎月第1水曜には、地域包括支援センターと連携して、シニアの介護予防・閉じこもり予防を目的に健康体操を実施している。
営業時間は喫茶=10時~17時、美容室=8時30分~17時30分。マルシェイベントは今後も定期的に開催を予定している。