大宮・武蔵一宮氷川神社(さいたま市大宮区高鼻町1)に通じる参道の一部区間が4月25日から歩行者専用化された。
対象区間は、大宮消防署氷川参道出張所がある南大通東線から北に2つ目の十字路交差点まで。これまで車は北向きの一方通行で通行することができたが、歩行者専用化に伴い、区間の出入り口には車の進入を防ぐ柵が新たに設置された。予定では6月28日ごろまで引き続き歩行者専用化に伴う施設工事が行われる。
歩行者専用化の検討が始まったのは、さいたま市の誕生前にさかのぼる。参道にはかつて、「歩道がない」「車の往来が多く走行スピードが速い」「路上駐車が多い」などの課題があり、1995(平成7)年には地元の市民によるまちづくり協議会から旧大宮市へ、参道の歩行者専用化を求める要望書が提出されていたという。その後、1999(平成11)年に旧大宮市が学識経験者を含めた氷川参道周辺地区まちづくり交通計画検討協議会を設置し、その際の検討で、基本方針として氷川参道の歩行者専用化が盛り込まれ、2014(平成26)年に設置された氷川参道歩行者専用化検討協議会によって実現に向けた検討が続けられてきた。
歩行者専用化は、氷川緑道西通線(旧市役所前通り)南区間の相互通行化と同時に実現。以前には南大通東線の拡幅も完了しており、周辺の道路環境が整備されたことから、実施の合意に至ったという。
参道沿いの店のスタッフは「人通りは以前とあまり変わらないが、犬の散歩をする人とベビーカーの親子連れが少し増え、逆に柵で入りにくくなったためか、自転車は少し減ったように感じる。歩行者専用になったことがまだあまり知られていないようなので、周知され、歩道の整備が完了して歩きやすくなると、また人の流れが変わるのではないか」と話す。
さいたま市都市局都心整備部氷川参道対策室主査の長泉泰介さんは「今のところ応援の声が多く、反対意見は耳にしていないが、車が氷川緑道西通線ではなく住宅街へ抜けてしまうことは課題として把握しており、解決していきたい。今後は自転車の利用マナーについても検討が必要だと考えている。将来的には、今回歩行者専用化が実現した区間のさらに北側まで対象区間を広げることを検討している」と話す。「今までは歩行者から見えづらかった車道側の景色も、歩行者専用化で楽しめるようになったと思う。植栽の木々の潤いを感じていただければ」と期待を込める。