東京・虎ノ門のパン店「Blanc(ブラン)」(東京都港区虎ノ門1)が9月6日、大宮に姉妹店「Blanc a la maison(ブラン ア ラメゾン)」(さいたま市中央区上落合8、TEL 048-708-0455)をオープンした。
虎ノ門店は、8坪という小さなスペースにビストロとパン店を展開する店として2016(平成28)年4月にオープンした。パン作りを担当する和田尚悟さんと料理を担当する大谷陽平さんの「料理に寄り添うパン」「パンに寄り添う料理」で「パン飲みできる店」として知られ、オフィスワーカーを中心ににぎわう。
「パン飲みの次はお家で」をコンセプトにオープンした「ブラン ア ラメゾン」は、現在はパン店のみ営業し、来年4月にはパティスリーのオープンを予定する。オーナー兼社長を務める大谷よりさんは「おいしい料理、パン、ケーキという3本の矢ができれば、ブランとしてもっと強く根が張れると思った」と話す。
オフィス街の虎ノ門店とは変わり、住宅街にある同店。「地域に根差し、地元の人々と共に成長できる店作りをしていきたい」と大谷さん。オープン時に配ったチラシを持参した客にサービスしたパンが好評となり、現在は「季節の牛乳パン」として販売している。「子ども連れのお母さんからお年寄りまで地元の方が気軽に寄れる場所になるように、内装には細部まで配慮している」とも。
パン作りをする和田さんは「子どもの頃からパン食で、他の人とは違うものづくりの仕事がしたかった」と振り返る。大阪の専門学校でパン作りを学んだ後、洋菓子やイタリアン、和食などさまざまな飲食店で経験を積んだ。「30歳まではいろいろな分野に足を踏み入れて、視野を広めたかった」と話す。レベルの高い街で挑戦したいという思いから、東京・丸の内のパン・ビストロ「POINT ET LIGNE(ポワンエリーニュ)」で約4年間統括シェフとして働いた後、同店で料理シェフをしていた大谷さん、大谷さんの妻・よりさんと共に店を開いた。
「食べたときに衝撃を受けた」というフランスのカンパーニュを目指して作っているという「瓦」(カンパーニュ)や「バゲット」などの食事パンは「主張しすぎない、料理に寄り添うパン」に仕上げる。埼玉県産の小麦を使った「さいたま食パン」も店舗限定で販売する。出身地である高知県の食材を取り入れたサンドイッチや総菜パンも人気。料理や素材にインスピレーションを受け、それらをパンに落とし込んでいくという。
和田さんは「虎ノ門と大宮ではお客さまの層が違うので手に取られるパンにも違いがあると思う。ブランのパンとして両店舗でも受け入れられるように整えていきつつ、安定してパンを届けられるようにしたい」と話す。「工房のスペース拡大やパンの製造スタッフが増えたこともあり、一人ではできなかったこと、一手間加えるプラスアルファにも取り組んでいければ」とも。
営業時間は8時~18時(土曜・日曜・祝日は10時~)。月曜、第2・4火曜定休。